
α700のオススメ機能
注目機能は多いが、もっとも活用すべきは「Dレンジオプティマイザー」
撮影・文:田中希美男
田中希美男 TANAKA Kimio
1947年、京都市生まれ。陶芸制作の後、71年、多摩芸術学園写真学科入学。卒業後にフリーランスに。撮影分野は人からドキュメントまで分野を問わない。クルマ雑誌やカメラ雑誌などに作品、テストレポートなどを幅広く発表している。 |
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α700にはいくつかの“注目”の機能があります。たとえば、1224万画素のCMOSセンサー(Exmor)と、それを生かして高解像度で低ノイズの画像を創り上げる画像処理エンジン・BIONZ。11点AFセンサー。最高5コマ/秒の高速連写。そして、ボディ内手ブレ補正。ハイビジョンTVに高品質な画像を映し出せる機能、などもあります。
このほかにα700をウマく使いこなす上でとても大事な機能があります。「クリエイティブスタイル」と「Dレンジオプティマイザー」の機能です。 14種類もある「クリエイティブスタイル」
「クリエイティブスタイル」とは、画像の仕上がりの様式が、あらかじめいくつか設定されていて、その中から、撮影シーンや表現目的に応じたスタイルを選ぶ機能です。合計14種類もの画像スタイルが用意されています。好みのスタイルを選んで撮影すればいいだけです。
しかし、“お仕着せ”の既定のスタイルを使うのはイヤだ、という人がきっといるはずです。そうしたこだわり派のために、α700にはさらに、彩度やコントラスト、シャープネスなどのパラメーターの微調整もおこなえ、それをカスタマイズして“自分好み”のスタイルに登録しておくこともできます。
クリエイティブスタイルは「固定」と「選択」の2グループ
このへんのことについてはα700のユーザーであれば“常識”のことでしょう。しかし、クリエイティブスタイルは、じつは大別して「2つのグループ」に分けられている、ということを気づいていない人が、これが結構多いのです。
すなわち、1つのグループは、あらかじめ固定された4つのスタイル(「スタンダード」、「ビビッド」、「ニュートラル」、「AdobeRGB」)で構成されています。固定グループです。もう1つのグループは、計14種類のスタイル ―― 、「スタンダード」、「ビビッド」、「ニュートラル」、「AdobeRGB」、「クリア」、「ディープ」、「ライト」、「ポートレート」、「風景」、「夕景」、「夜景」、「紅葉」、「白黒」、「セピア」 ―― の中から3種類のスタイルを選んで、それを3つのスタイルボックスに登録しておけます。選択グループです。 標準設定ではスタイルボックスには「ポートレート」、「風景」、「白黒」のスタイルが割り当てられていますが、これは自由に他のスタイルと交代させることができます。もし、夕景や夜景を撮影する機会が多いなら、選択グループの3つのうちどれかと夕景または夜景を交代させて登録しておけばいいわけです。 まず初期設定で仕上がり傾向をチェックすべし
先ほども少し述べましたが、このクリエイティブスタイルはどのスタイルモードも、彩度やコントラスト、シャープネスなどの微調整ができ(選択グループは、さらに「明度」と「ゾーン選択」の調整も可能)、撮影シーンや表現目的に合わせて徹底的に画像の仕上がりを追い込んで撮影することもできます ―― このへんの調整方法や効果、そして各スタイルの仕上がり傾向などについては、「SONY α700オーナーズBOOK」に詳しくでていますので、ぜひそれを読んでいただきたい。
ここで1つ、大事なアドバイスがあります。選択したクリエイティブスタイルで、いきなり彩度やコントラスト、シャープネスのパラメーターの調整をしないことです。使い始めは、とりあえずα700の初期設定(パラメーター調整なし)で、最適なスタイルモードだけを選んで撮影してみることです。そのスタイルで撮影すると、どんな仕上がり傾向になるかを自分自身の眼で確認し把握しておくことです。パラメーターの調整をするのは、その次の段階です。
シャドー部の階調描写幅を広げてくれる「Dレンジオプティマイザー」
クリエイティブスタイルの解説に少しスペースをとられすぎてしまいましたが、α700の撮影機能の中でもっとも注目して、その機能の効果を知って、そしてぜひ活用して欲しいのは、じつは「Dレンジオプティマイザー」なのです。
Dレンジオプティマイザーは、おもにシャドー部の階調描写幅を広げてくれる機能です。結果的に、画像全体のダイナミックレンジの広い ―― つまり白とびや黒つぶれの少ない ―― 写真に仕上げてくれるものです。Dレンジオプティマイザーをウマく活用すれば、従来ならばシャドー部が真っ黒につぶれてしまうような場面でも、わずかながらディテールの描写がされた写真に仕上げることもできます。たとえばですが、やや露出アンダーぎみに撮影をしてDレンジオプティマイザーの機能を使うことで、ハイライト部のディテールとシャドー部のディテールを出した写真に仕上げることさえできなくもないのです(どれくらい露出アンダーで撮影するかがちょっと難しいですけど)。 α700のDレンジオプティマイザーの機能には、「OFF」、「スタンダード(D-R)」、「アドバンスオート(D-R+)」、そして「アドバンスレベル設定(D-R+ Lv1〜Lv5)」のモードが用意されています。 「アドバンスオート」がおすすめです
いちばんのオススメのモードは「アドバンスオート」です。
「スタンダード」のモードは自動的に画像全体の明るさとコントラストを“一括して”調整してくれます。ぴったり最適に仕上げてくれることもありますが、時には、そりゃあちょっとやり過ぎだよ、という場合もあります。 しかし、「アドバンスオート」はもっとインテリジェントなのです。画像全体のコントラスト差を細かくチェックして、その領域ごとに最適な明るさと階調描写になるように自動的に補正、調整してくれるモードなのです。スタンダードモードのように“やり過ぎ”ることはほとんどありません。 シャドー部とハイライト部の輝度差が大きくなりがちなハイコントラストな撮影条件で有効なモードです。肉眼で見た感じに近い自然な写真に仕上げてくれるのが大きな特徴です。 機能のON、OFFで効果を自分のものにする
「アドバンスレベル設定」のモードは、自動調整してくれるアドバンスオートの“マニュアル版”と考えてよいでしょう。調整の強弱を手動で選ぶというモードです。撮影シーンに応じた階調描写の程度がきちんとわかる人には便利なモードなのですが、どのレベルを選ぶかが難しい(そのためにレベルの強弱を自動的にズラして3カット撮影ができる「Dレンジオプティマイザー・アドバンスブラケット」の機能もあります)。
このDレンジオプティマイザーもそうですが、とにかく手始めに、アドバンスオートのモードにしていろんなシーンを撮影してみることです。可能ならば、アドバンスオートとDレンジオプティマイザーをOFFにして撮影をして、その違いを見比べて、そしてアドバンスレベル設定で最適と思われるレベルを選んで撮影してみてはどうでしょうか。 クリエイティブスタイルの微調整や、Dレンジオプティマイザーのあれこれの設定などは、ちょっと面倒かもしれませんが、時間のあるときにでもテスト撮影をして効果の具合などを知り、本番の撮影でぜひ活用して欲しいものです。
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