こういった超高倍率ズームは銀塩でも大いに人気を呼んで売れまくったわけだが、今回デジタルで使ってみて、超高倍率ということで享受できる恩恵は、銀塩よりもデジタルの方がより大きいと感じた。
というのも、超高倍率ならレンズ交換の回数が圧倒的に少なくて済むため、デジタル一眼レフの泣き所である「撮像素子へのゴミ付着」を最小限に抑えることができるからである。また、銀塩では広角から望遠まで基本的に同感度のフィルムで撮りきってしまうことが多いため、リバーサルで標準的なISO100フィルムでは、よほど明るい所以外では望遠時に手ブレしてしまうリスクが常にあったのに対し、1コマごとに撮影感度を自由に変更できるデジタルでは焦点距離ごとに最適な撮影感度を割り当てることができ、望遠側でも手ブレしにくくできるというメリットもある。
画質の良否判定をディスプレイ上で容易に行えるデジタルでは、銀塩用以上に画面全体の均質性などに留意した設計になっていると思われるが、その点はこのレンズでも実感することができ、実質300mm時でも十分満足のできる解像感を得られた。銀塩用の高倍率ズームに比べてシャープ度が1段階ほど高くなっている印象である。
画質的にも普及クラスの標準ズームや望遠ズームと同等のレベルにあり、高倍率だからといって犠牲になっている要素は(操作フィーリングを含め)まったく発見することはできなかった。高倍率ズームのパイオニアとして評価の高いタムロンだが、このレンズも安心して使用できるクオリティを備えていると言えるだろう。目的に応じて、単焦点レンズや大口径レンズなどと使い分けたい1本である。
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