シグマの大口径望遠ズーム、APO 70-200mm F2.8 II EX DG MACRO HSMは、平成18年2月発表のAPO 70-200mm F2.8 EX DG MACRO HSMのマイナーチェンジモデルだ。従来型はデジタル対応と近接撮影能力の向上を主眼に置いた大幅なモデルチェンジを経たが、今回も構成レンズを見直すなどモデルチェンジの内容は濃い。
外観は旧70-200mmを踏襲。鏡胴のつや消し仕上げは高級感があり、所有する満足感が得られる。ピントリング、ズームリングともに幅が広く、操作は快適だ。しかもどちらのリングも滑らかな動き。微妙なズーミングやピント調整が楽に行える。重量こそ1,370gだが、それでも旧70-200mmと比べて25g軽量化。フラッグシップ機でも、ミドルクラス機でも、装着した際のホールディングバランスは良好だ。
旧モデルと同じく、最短撮影距離はズーム全域でわずか1m。最大撮影倍率は1:3.5(シグマ用)で、本格的なマクロ撮影が楽しめる。また、超音波モーター「HSM」により、AFの作動音は静か。しかも最短1mから無限遠まで一気に高速で動き、モーターの力強さを感じる。もちろんAFモードのままMFも可能。被写界深度の浅い近接撮影時のピントの微調整に有効だ。
レンズ構成は旧モデルと同じ15群18枚だが、ELD(特殊低分散)ガラスが2枚から3枚に増え、倍率色収差や軸上色収差を効果的に補正している。またSLD(特殊低分散)ガラスも2枚採用。スーパーマルチレイヤーコートにより、ゴーストやフレアの発生を軽減している。高級レンズらしい贅沢な作りだ。
実写した結果も、絞り開放から安定した性能を発揮した。とくに70mm側は高いシャープネスとコントラストを見せ、メリハリのある写真が楽しめた。200mm側はやや柔らかな写り。絞り開放ではわずかに周辺減光が見られるが、気になるほどではない。1段絞ればシャープネスがグンと高くなり、キレのある写真が写せる。
高い描写性能を持ちながら、旧モデルより軽く、価格も1万2,100円ほど安くなったのは嬉しい。あえて注文をつけるならば、手ブレ補正機構「OS」の搭載を望むことくらいか。スポーツや風景、さらに近接能力の高さを生かしてネイチャーやポートレートなど、被写体を選ばないレンズだ。
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