タムロンから、APS-Cデジタル一眼レフ専用の11-18mmズームが発売された。35mm判換算でおおよそ17〜28mm相当となる超広角ズームだ。この焦点域のデジタル専用広角ズームはすでに各社から発売されているけれど、小型軽量にこだわるタムロンらしく、焦点域の割にはきわめて小さいサイズにまとまっているのが特長だ。そのぶんズーム倍率は2倍にも満たないわけだけど、18mmから立ち上がる標準ズームや高倍率ズームと組み合わせて持つことを想定すると、こういう焦点設定も十分“アリ”だと思う。とくに最近のエントリークラスのデジタル一眼レフはボディがどんどん小さくなる傾向にあるので、レンズの方もある程度、小さくないとバランスが取りづらいということもあるのだ。
描写性能は期待を裏切らないレベルにあった。クリアでシャープなのはもちろん、落ち着いた色の残り方は、デジタル専用になっても従来からのタムロンレンズの美点を引き継いでいると感じた。また、通常では画面周辺が流れやすい11mm時でも周辺の画質低下は最小限に抑えられていて、画面内の画質均一度は非常にハイレベルだ。総じてデジタル対応レンズは像の平面性にかなり留意して設計されているが、このレンズはそのなかでもとくに優れているのではないだろうか。もしかするとズーム倍率的にあまり欲張っていないことが、こういった画質面でプラスに働いているのかも知れない。
操作性に関しては、ズームリングの動きにタムロンらしからぬ微妙な粗さを感じるものの、それは本当に重箱の隅をつつくようなイジワルな見方をした場合だけ。フォーカスリングやズームリングの位置など、基本的な部分の使い勝手によく配慮されており、文句なしに使いやすい。最短撮影距離も25cmと短く、寄りたいのに寄れないというストレスを感じることはほとんどなかった。銀塩ユーザーがデジタル一眼を始める場合、自分の手持ちのレンズだけではどうしても広角側が不足してしまうわけだが、それを補うのに最適な超広角ズームではないだろうか。
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