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ニコン D90
  (9804 ヒット)
大判プリントや高感度での画質が飛躍的に向上
 D90 は、DXフォーマット・デジタル一眼レフカメラ D80 の後継機で、1,230万画素のCMOSセンサーを新搭載している (このCMOSセンサーはD300 にも搭載されているものだがさらに改良されているようだ)。スペック上はD80 に対して210万画素の上乗せなのだが、仕上がりを見るとその差は想像以上であった。とくに大きいサイズでプリント出力したときに、被写体の持つ細かな質感描写となってあらわれた。
 また、モニター上で拡大画像を見てわかったのだが、D80 で輪郭部分に発生していた倍率色収差がほとんど発生していない。これは、D90に新たに搭載された画像処理システム 「EXPEED」 によると考えられる。
 高感度撮影時の画質も大幅に向上した。先代のD80 も高感度撮影時の画像はかなりキレイで評判も良かった。D80 のISO感度は ISO100〜1600 まで。拡張機能によりISO1600 に対して約1段 (ISO3200) まで増感できた。
 新型D90 のISO感度は、ISO200〜3200 までであるが、拡張により、ISO200 に対して減感 (約0.3、0.7、1段) とISO3200 に対して増感 (約0.3、 0.7、1段) が可能だ。試しにD90 で最大のISO6400 まで感度を上げて (約1段増感) 撮影してみた。結果は下の作例を見てほしいが、上位機種のD300 をも脅かすクオリティの高さだった。
3D-トラッキングAF、顔認識付きライブビュー
 AFは、D80 のマルチCAM1000オートフォーカスセンサーモジュールを踏襲している。測距点も11点だが、新たに3D-トラッキングが搭載された。これは、構図変更検出機能により、構図に応じて自動的にフォーカスポイントを切り換えて被写体を自動追尾する画期的なシステムである。また、「シーン認識システム」 はさらに進化し、D80 と同じ420分割RGBセンサーからの各種情報をもとに展開している。
 D90 では、最近のデジタル一眼レフカメラのトレンドであるライブビュー撮影も可能になった。コントラストAFによるライブビュー撮影では、シーン認識システムによって上位機種にない[顔認識AF]が新搭載され、[ワイドエリアAF]、[ノーマルエリアAF]の3つのAFモードから選択できるようになった。デジタルコンパクトカメラでおなじみの[顔認識AF]は、最大5人までの顔を認識し、カメラが最も近いと判断した顔にピントを合わせる、あるととても便利な機能である。
 そして「アクティブD-ライティング」 。ハイライト部やシャドー部に発生する白とび、黒つぶれを的確に補正しつつ、中間調を維持するという高度な処理をする機能は、D3、D300 から始まり、このD90 に至ってかなり改善されている感がした。
 また、D90 ではそのアクティブD-ライティングにブラケットがくわわった。そう、アクティブD-ライティングの[なし]と[あり]の2枚を撮影することができるのだ。アクティブD-ライティングはいちいちメニューから設定していたので面倒だったが、ブラケット機能のおかげで素早く撮影をすることができるようになった。
 また、D90 のアクティブD-ライティングには[より強く]が新たにおめみえしている。
Dムービーは、楽しい!の一語に尽きる
 D90 はデジタル一眼レフカメラでは世界初となる、動画撮影機能 「Dムービー」 を搭載した。記録サイズは、HDTV (ハイビジョンテレビ) での再生に合わせた1280×720 (720P相当) と、3:2 の比率に合わせた640×424、320×216から選択できる。1秒間に何コマ表示するかで動きの滑らかさを示すフレームレートは24fps (24フレーム/秒)。記録形式は、Motion JPEG圧縮方式 によるAVIファイルである。記録時間は無制限ではなく、1280×720で約5分、640×424 および320×216 で約20分の撮影が可能だ。
 ただ、動画撮影中にはAFが動作しないことや、音声は内蔵マイクによるモノラル録音しかできないなどの課題もあるが、一眼レフカメラならではの各種レンズによるデフォルメや圧縮効果、被写界深度の浅さを活かしたボケ効果など、いわゆるビデオカメラとは異なる楽しみ方がムービー関係者からも注目されている。
 なお、動画は純正ブラウザー 「ViewNX」 の他、「Windows Media Player」 や 「Quick Time Player」 で再生できるが、基本的にパソコン上での鑑賞がメインとなる (一部、AVI を再生できるDVDプレーヤー/レコーダーもある)。
ますます充実、カメラ内編集機能
 ニコンのカメラは、カメラ内編集機能がとても充実しており、アクティブD-ライティング、赤目補正、トリミング、フィルター効果などの機能を撮影後の画像に適用することができる。RAWデータの現像処理ももちろんである。
 D90 では、さらに新しい機能が加わっている。そのひとつが[拡大ヒストグラム表示]だ。従来のヒストグラム表示(R、G、B、輝度)に加え、特定部分を拡大表示した場合のヒストグラムが表示できるのである。拡大エリアをスクロールすれば、ヒストグラムもその範囲に連動して表示される便利な機能だ。
 撮影時には気付かなかった画像の傾きを、あとで補正できる 「傾き補正」 も新顔だ。D90 の液晶モニターに調整用のインジケーターが表示され、画像を見ながらマルチセレクターでスライダーを調整するだけの簡単操作だ。
 レンズの特性で画像が樽型や糸巻き型に歪んでしまった場合も、D90 の 「ゆがみ補正」 を使えば補正できる。とくに建物の形を正確に表現したいときなどに有効で、操作はやはり画面内に表示されるインジケーターを使って調整をするだけ。
 このほかにも、別売りのGPSユニットを使い、撮影時の位置情報 (緯度、経度、標高、日時) を記録することができる。画像と地図情報を組み合わせたオリジナルマップを作ることができるので、ネイチャーカメラマンの記録撮影に役だってくれるだろう。
主なプロフィール
平成20年8月27日発表
平成20年9月19日発売
有効12.3メガピクセルCMOS
(ニコンDXフォーマット)
ISO3200(+1増感可)
11点AF/コントラストAF(LV時)
420分割RGBセンサー測光
SDHCメモリーカード
/SDメモリーカード
3.0型液晶モニター
AFライブビュー
フラッシュ内蔵
HD動画撮影機能
発表時ニュースを読む
ニコン D90 フロント
ほとんどD80 と同じルックス。グリップ部の赤いゴム・パーツが左右に伸びたこと、マイクがロゴの左上に新設されたことが新しい。
ニコン D90 トップ
上面では、ボタンが丸い形状になったこと、モードダイヤルに発光禁止オート、アドバンストシーンモードが加わり、オートと夜景が姿を消している点が変更点。
ニコン D90 リア
もっとも大きく変わった背面。「Lv (ライブビュー)」 ボタンと 「info」 ボタンが新設。マルチセレクターの位置も変わり、中央に 「OK」 ボタンがおめみえした。液晶も大きく高精細。

 

作例1 ● 解像描写力の高さ
写真をクリックすると
<640×425>になります
作例2 ● 増感ISO6400に挑戦
写真をクリックすると
<640×425>になります
作例3 ● 魚眼効果ON
写真をクリックすると
<640×425>になります
作例1 (C)斉藤勝則 作例2 (C)斉藤勝則 作例3 (C)斉藤勝則
Web用画像ではなく、元画像でマストの部分を見たら、斜めに張られたケーブルにジャギーはなく、とても滑らかだった。マストの表面にあるキズもはっきりと確認することができた。
 
■AF-S 18-105mm F3.5-5.6G ED VR 絞り優先AE(F11) アクティブD-ライティング(オート) WBオート ISO200
約1段増感のISO6400まで感度を上げて撮影した。カメラのパラメータ設定は、初期状態で撮影を行っている。また、高感度ノイズ低減は[しない]で撮影。被写体は、黒い布の上に置かれた白いティーカップとソーサである。
■AF-S 18-105mm F3.5-5.6G ED VR 絞り優先AE(F11) アクティブD-ライティング(オート) WBオート ISO6400
撮影した画像を元に、カメラ内で魚眼レンズで撮影したような効果に編集する機能。魚眼レンズは高価なわりに、あまり頻繁に使うレンズではないことを考えると便利。効果も調節できるので、ペットの鼻デカ写真も簡単に作ることができる。
■AF-S 18-105mm F3.5-5.6G ED VR 絞り優先AE(F10) アクティブD-ライティング(ブラケット) WBオート ISO200
 
☆アクティブD-ライティング ブラケットを試す
作例4 ● [なし]
写真をクリックすると<640×425>になります
作例5 ● [あり (強め)]
写真をクリックすると<640×425>になります
作例4 (C)斉藤勝則 作例5 (C)斉藤勝則
共通データ■AF-S 18-105mm F3.5-5.6G ED VR 絞り優先AE(F8) ピクチャーコントロール:スタンダード WBオート ISO200
 

※作例写真のサムネイル画像と拡大画像は、Web用に解像度と圧縮率を変更しています。
また、著作権者とモーターマガジン社の許可なくこの画像を二次利用することを禁じます。

主な仕様 ●有効画素数:1,230万画素 ●撮像素子:APS-CサイズCMOSセンサー ●撮像感度:ISO200〜3200相当 (減感最小ISO100、増感最大ISO6400) ●画像形式:静止画JPEG/RAW(JPEG+RAW同時記録可)、動画AVI (Motion JPEG) ●記録メディア:SDHC/SDメモリーカード ●ファインダー:ペンタプリズム使用アイレベル式、視野率約96%、倍率約0.94倍、アイポイント19.5mm、視度調整付き ●フォーカス:マルチカム1000モジュールによるTTL位相差検出方式、11点測距、シングルAFサーボ/コンティニュアスAFサーボ/AFサーボモード自動切り換え/MF ●シャッター:電子制御フォーカルプレーンシャッター、30〜1/4,000秒、バルブ、X=1/200秒 ●測光方式:420分割RGBセンサーによるTTL開放測光方式・3D-RGBマルチパターンII、マルチパターン/中央部重点/スポット ●露出制御:オート/発光禁止オート/アドバンストシーンモード(ポートレート・風景・スポーツ・クローズアップ・夜景ポートレート)/プログラムオート (プログラムシフト可)/絞り優先/シャッター速度優先/マニュアル ●露出補正:±5EV(1/3、1/2ステップ) ●モニター:3.0型(92万ドット・VGA)低温ポリシリコンTFTカラー液晶、広視野角、明るさ調整可 ●AFライブビュー:コントラストAF方式、顔認識AF/ワイドエリアAF/ノーマルエリアAF ●内蔵フラッシュ:ガイドナンバー約17(ISO200 ・m)/約12 (ISO100相当・m) ●内蔵電源:Li-ion リチャージャブルバッテリーEN-EL3e ●撮影可能枚数 (CIPA規格):約850コマ (EN-EL3e 使用時) ●サイズ:W132×H103×D77mm ●重さ:620g(本体)
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