VR Zoom-Nikkor ED 80-400mm F4.5-5.6D は、ニコンで初めて手ブレ補正機構 「VR」 を搭載した記念すべきレンズである。レンズ内の2つのセンサー (ピッチング、ヨーイング) で手ブレを検知し、それを打ち消すように逆方向に補正系レンズを動かしてブレを補正する。その効果は、シャッタースピードに換算して約3段分の補正効果を発揮する。
また、撮影状況に応じてシャッター半押し状態でもVR機能が作動する [モード1] と、露光中のみVR機能が作動する [モード2] が選べるようになっている。
35mmフィルムと同じニコンFXフォーマットにおいては焦点距離そのままに80-400mm をカバーし、APS-Cサイズ相当のDXフォーマットにおいては35mm判換算で120〜600mm相当をカバーする超望遠ズームレンズとなる。
鉄道やカーレースなどの乗り物をはじめ、野生動物、スポーツなど、望遠を多用する写真家にとっては、この5倍のズーム倍率のなかに欲しい画角がほぼカバーされているのがうれしい。画質面では、EDレンズを3枚使用することで、望遠レンズ特有の色収差も少なく、また円形絞りを採用したことによるボケ味もなかなかだ。もちろん、すべてのニッコールレンズに採用の 「ニコンスーパーインテグレーテッドコーティング (=SC)」 がフレアーやゴーストを軽減し、高いコントラストとゆたかな階調表現が可能。
発売から長い歳月が経過し、多少なりとも古さは隠せないが、しかしD信号 (距離信号出力機能) をもち、なおかつ絞りリングをもつDタイプ・レンズなので、いままでのFマウント・カメラでも使用可能というのは救い。だから、銀塩&デジタル二刀流のカメラマンにはもってこいのレンズと言ってもよい。
もし、焦点距離400mmまで必要がないというのなら、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G (IF) をチョイスした方が良いだろう。Gタイプ・レンズではあるが、シャッタースピード4段分相当の手ブレ軽減効果を発揮する VR II 、超音波モーターSWMを搭載し、重量、コストパフォーマンス (8万1,900円) ともに優れている。だが、望遠400mm (今回試写したニコンD90では600mmに相当する) の魅力というものは、一度その映像世界を経験したら病みつきになりやすいので、ここが悩みどころだ。
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