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ニコン D3000
  (4902 ヒット)
エントリー機の基準を底上げするAF性能
 D3000 は、D40 の後継機でエントリークラスに位置付けされる。撮像素子はD60 と同じDXフォーマット (APS-Cサイズ相当) の有効1,020万画素CCDを搭載している。ボディのパッケージングは、エントリークラスということもあり小型軽量で機能もシンプルにまとめられている。外観はD5000 のように曲線を使った少しグラマラスなデザインであるが、手にしたときのフィット感はとても良く、カメラをしっかり持つことができる。液晶モニターにD5000 のバリアングル式ではなく従来の固定式を採用しているため、ボディサイズはD5000 よりも小さく軽い。液晶モニターは、3型 (約23万ドット) を採用しており、D40 (2.5型・約23万ドット) やD5000 (2.7型・約23ドット) よりも大型。パネルの色味はほぼニュートラルに近く、D5000 よりも見やすい。
 このD3000 にも、ニコンの包括的画像処理システム 「EXPEED」 が搭載されており、ニコンのデジタル一眼レフカメラのラインアップが完成したことになる。あわせて基本性能も向上させており、上位機種の機能を惜しげもなく採用している。とくにフォーカスエリアは 3点から 11点になり、3D-トラッキングも使えるなど、AF性能はこれまでのエントリー機種から格段に進化している。
ガイドモードやミニチュア効果など新機能もグッド
 D3000 でとくに注目すべき画期的な機能は 「ガイドモード」 である。これは、カメラの使い方をカメラが導いてくれるというもので、液晶モニターに表示されるガイドメニューに従うだけの簡単な操作だ。初心者にとって、高いハードルとなっていたカメラの設定もミスすることなく、カメラの指示どおりに設定すればよいのである。
 たとえば下の作例のように、ガイドモードの[風景や街並みを撮る]に設定して撮影するとシーンモードの[風景]が選ばれていても各パラメータはオートに設定される。撮影シーンを元にカメラ内で演算処理をしているため、自分でパラメータを設定したとしても同じ画像を作ることはできない。これはニコン独自のスペシャルチューンなのである。
 また、画像編集機能では、新たにミニチュア効果のある写真を作ることができるようになった。これは、アオリ機能を持つPCレンズを使った撮影と同じで、画面の一部をシャープに見せて他の部分をボカすことにより、ミニチュア (=模型) やジオラマ (=縮尺模型) を撮影したような視覚効果を演出できるもの。このように、新型D3000 は、デジタル一眼初心者でも 「撮る」 、「編集する」 、「見せる」 を簡単に楽しく使いこなせるカメラなのである。
D5000 と同等の画質。LVやDムービーが選択の分かれ目
 実際に撮影をしてみると、D40 やD60 のようにミラーショックの小さなシャッターは踏襲されており、レンズキットの 「VR」 レンズを使うことで手ブレを抑える効果も大きい。グリップは、ニコン特有の指掛かりの良さもあり、手の小さい人でもしっかりホールドできる。
 ファインダーについては、エントリークラスのカメラでもあるため、あまり多くを望むことはできないが、D3000 では格子線を表示させることができるようになり、水平や垂直を出す風景の撮影に役立ってくれる。フォーカスポイントは、D5000 と同じ11点になり、目的の所にフォーカスを合わせやすくなった。また、D3000 も 「3D-トラッキング」 を搭載しており、動体の撮影における機能強化を図っている。操作性という点では、D40 やD60 よりも使いやすく、ニコンらしいまじめに作り込んだカメラであると言えよう。バッテリーをあまり食わないのもその一端だろう。
 D3000 の試写にあたっては、同じエントリー機種で兄貴分のD5000 (平成21年5月発売) と比較撮影をしてみたのだが、こと “画” に関しては両者の間に極端な差は見られなかったといのが結論だ。しいて言えばD3000 の方が色の再現は多少鮮やかな傾向にあるようで、それはD3000 のユーザーの多くがお店プリントや複合機のダイレクトプリントで出力することをニコンが想定しているためと思われる。いっぽうD5000 はパソコン上での編集に対し余力を持った画作りをしているようだ。
 このように、機種が違っても画像のクオリティはほぼ同じ傾向にあるので、デザインや機能などの好み、予算などからどちらを選んでも問題はない。D3000 は、D5000 のようなバリアングル液晶モニターやライブビュー機能、動画機能を搭載していない。エントリークラスでもライブビューや動画撮影機能が求められる昨今であるが、デジタル写真を簡単に楽しみたいという人、デジタルコンパクトカメラから乗り換えたい人にとって最適な 1台であることに間違いはない。また、D3000にも 「EXPEED」 が搭載されたことで、上位機種のサブカメラという使い方も可能だ。
(斉藤勝則)
主なプロフィール
平成21年7月30日発表
平成21年8月28日発売
有効10.2メガピクセルCCD (ニコンFXフォーマット)
ISO100〜1600 (拡張3200)
RAW/JPEG (同時記録可)
イメージセンサークリーニング
11点AF
420分割 RGBセンサー測光
SDHCメモリーカード/SDメモリーカード
3.0型モニター
フラッシュ内蔵
発表時ニュースを読む
ニコン D3000 フロント
曲線を多用したボリューム感のあるデザインは、兄貴分のD5000 とほぼ共通。静止画撮影に絞ったシンプルな構成のおかげか、小型・軽量さがセールスポイントのひとつである。
ニコン D3000 トップ
ホットシュー前にポップアップフラッシュを内蔵。モードダイヤルに[オート]や[シーンモード]を入れて、ビギナーでも迷わず撮影を始められるようにしている。
ニコン D3000 リア
エントリークラスとしてはもっとも大きな 3インチの液晶モニターを採用。バリアングルではなく固定式だから実現できたか。ただし解像度は約23万ドットと、中級機以上の92万ドットほどの精細さはない。
 
ニコン D3000 ガイドメニュー
D3000 の最大の特長が 「ガイドメニュー」 。撮るとき、見るとき、設定するときの場面で、やりたいこと、その方法、そして設定などを画面の解説を見ながら行える。コンデジの機能を一眼に合わせグレードアップしている。

 

作例1 ● サイズL の解像力
写真をクリックすると拡大画像<640×428>になります。
作例2 ● ISO3200+ノイズ低減OFFで撮影
写真をクリックすると拡大画像<640×428>になります。
作例1 (C) 斉藤勝則 作例2 (C) 斉藤勝則
有効1,020万画素CCDを搭載。兄貴分のD5000 は1,230万画素CMOSだから、単純に画素数の差は210万画素。A3ノビていどのプリントでは肉眼による識別は難しい。一般用途に必要なクオリティは十分得られている。
■AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR マルチパターン測光 絞り優先AE (F10 +0.7EV補正) WBオート ISO 200 ピクチャーコントロール=スタンダード
約1段増感して撮影。推奨範囲を外れるからノイズ低減を[OFF]にすると輝度ノイズ・カラーノイズが目立ち、[ON]にするとカラーノイズはかなり抑えられるがシャープネスは失われる。ともあれ、大きくプリントしなければ十分に使える画質だ。
■AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR マルチパターン測光 絞り優先AE (F8) WBオート ISO 3200 ピクチャーコントロール=スタンダード
 
作例3 ● AWBで撮影
写真をクリックすると拡大画像<640×425>になります。
作例4 ● アクティブD-ライティング[ON]で撮影
写真をクリックすると拡大画像<640×428>になります。
作例3 (C) 斉藤勝則 作例4 (C) 斉藤勝則
夜のショーウィンドウ。白熱灯と蛍光灯のミックス光で、やや黄色く色かぶりしているが、ここまで補正していれば十分なレベル。この傾向は兄弟機のD5000 とほどんど同じだ。
■AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR マルチパターン測光 絞り優先AE (F8)  WBオート ISO 800 ピクチャーコントロール=スタンダード
露出補正だけでは、ハイライト部とシャドー部をここまで綺麗に補正することはできない。アクティブD-ライティングの恩恵は絶大である。
 
■AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR マルチパターン測光 絞り優先AE (F11) WBオート ISO100ピクチャーコントロール=スタンダード
 
写真をクリックすると拡大画像になります。
◆ 「ガイドメニュー」 撮影を試す
ガイドメニュー
ガイドモード撮影
作例1 (C) 斉藤勝則 → 作例1 (C) 斉藤勝則
モードダイヤルを[GUIDE]に設定。メニュー (撮る/見る/消す/設定する) から[撮る]→[場面にあわせて撮る]→[風景や街並みを撮る]→[撮影を始める]を選択機能を選択。比較してみると、ガイドモードで撮影した方がメリハリもあり全体的に彩度も高く色鮮やかである。また、空や雲の階調はとても滑らかだ。
■AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR マルチパターン測光 シーンモード [風景] (F10 1/250秒) WBオート ISOオート
 
◆ 画像編集 「ミニチュア効果」 を試す
ぼかさない範囲を決める
仕上がり
作例「ミニチュア効果」 (C) 斉藤勝則 → 作例「ミニチュア効果」 (C) 斉藤勝則
[MENU]ボタンを押して画像編集メニューを呼び出し[ミニチュア効果]を選択。画像をサムネイルから選んで、ぼかさない範囲をマルチセレクターで決めて[OK]ボタンを押すと記録される。プレビュー表示も可能だ。俯瞰撮影に向いている。
 

※作例写真のサムネイル画像と拡大画像は、Web用に解像度と圧縮率を変更しています。
また、著作権者とモーターマガジン社の許可なくこの画像を二次利用することを禁じます。

主な仕様 ●有効画素数 : 1,020万画素 ●撮像素子 : 23.6×15.8mm APS-Cサイズ相当CCDセンサー 、イメージセンサークリーニング、イメージダストオフデータ取得 ●撮像感度 : 感度自動制御/任意 (ISO100〜1600、1段ステップ) 、増感最大 ISO3200可 ●画像形式 :静止画JPEG/RAW (JPEG+RAW同時記録可) ●記録メディア : SDHCメモリーカード/SDメモリーカード ●ファインダー :ペンタミラー使用アイレベル式、視野率上下左右約95%、倍率約0.8倍、アイポイント18mmmm、視度調整付き ●フォーカス :マルチカム1000モジュールによるTTL位相差検出方式、11点測距、シングルAFサーボ/コンティニュアスAFサーボ/AFサーボモード自動切り換え/MF (フォーカスエイド可) ●AFエリアモード : シングルポイントAF/ダイナミックAF/オートエリアAF/3D-トラッキング (11点) ●測光方式 :420分割RGBセンサーによるTTL開放測光方式、3D-RGBマルチパターン II 、マルチパターン/中央部重点/スポット ●露出モード : オート/発光禁止オート/ポートレート/風景/こどもスナップ/スポーツ/クローズアップ/夜景ポートレート/マルチプログラムオート (プログラムシフト可能) /シャッター優先オート/絞り優先オート/マニュアル ●露出補正 : ±5EV (1/3ステップ) ●シャッター :電子制御フォーカルプレーンシャッター、30〜1/4,000秒、バルブ、X=1/200秒 ●モニター : 3型 (23万ドット) TFTカラー液晶、明るさ調整可 ●内蔵フラッシュ : オートポップアップ/手動ポップアップ式、ガイドナンバー約12 (ISO100・m)、マニュアルフル発光時13 、調光補正−3〜+1EV (1/3ステップ) ●電源 : Li-ion リチャージャブルバッテリーEN-EL9a、別売ACアダプターによるAC駆動可 ●サイズ : W126×H97×D64mm ●重さ : 約485g (本体)
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