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ニコン D300s
  (4558 ヒット)
D300S はD300 の正常進化形だ
 D300 の後継機は 「D300S ? それともD400 ?」 と噂が飛び交ったそのとき、僕はD300S だと確信していた。なぜならD300 自体、完成度がものすごく高いカメラだったからだ。しかもDXフォーマットのフラッグシップだ。どれほどデジタルテクノロジーの進化が加速して現行モデルが陳腐化してしまうのが早まろうとも、フラッグシップたるもの、そう簡単にはフルモデルチェンジできない。もっと言えば、すぐに古くさくなってしまうようなカメラは初めからフラッグシップに相応しくない。いまあらためてD300 を見ても、まったく時代遅れな感じはしない。ただ、使ってみて、「こうしてほしい、ああしてほしい」 という部分が出てきたことはたしか。その希望をかなえてくれたのがD300S なのだ。
 そこではじめに、D300 とD300S の違いをざっと列記してみよう。
  • CFカードとSDメモリーカードのダブルスロット
  • Dムービー搭載。録画中のAF 、外部ステレオマイク、始点・終点のボディ内編集
  • 連続撮影速度が 6コマ/秒から 7コマ/秒にアップ
  • アクティブD-ライティングに[オート]とより[強め]が追加
  • 最大 5コマ、アクティブD-ライティングでのブラケティング
  • ライブビュー専用ボタン
  • 静音撮影モード
  • 内蔵フラッシュの照射角が焦点距離16mm相当をカバー
  • ライブビュー時も表示できる水準器
  • 画像編集にRAW現像やリサイズを追加
  • 再生時72コマのサムネイル表示や顔認識による顔拡大、および拡大部分のみのヒストグラム表示
  • インフォボタンで撮影情報画面から設定画面にダイレクトアクセス
以上が主な改良点だ。
インフォボタン&画面で操作がより快適に
 D300S の外観デザインはD300 とほぼ同じで、両機を並べても違いはわからない。DXフォーマットのフラッグシップに相応しい高級感は継承された。D300 で唯一気に入らなかったファインダー接眼部のデザインは残念ながら踏襲されてしまった。D2、D3 と同じ丸形の接眼部、そしてアイピースシャッターがほかしかったのだが…。大きさはD300 とまったく同じ。重さのみ15g 増えて840g になっているが、FXフォーマットのフラッグシップ D3 の1,240g を考えれば、軽快に撮りたいときにはやっぱりDXフォーマットだと痛感した。
 操作については、もともと操作性が良かったD300 だから悪いはずはない。逆にすごく良くなったことがある。それは[info]ボタンが独立し、そのまま撮影情報画面から設定画面に直接ジャンプできること。設定項目は、撮影メニュー切り替え、高感度ノイズ低減、アクティブD-ライティング、色空間、プレビューボタンの機能、カスタムメニュー切り替え、長秒時ノイズ低減、ピクチャーコントロール、AE/AFロックボタンの機能、Fnボタンの機能となっている。撮影中に設定を変えることのある機能はすべて網羅された。これで撮影中にいちいちメニューボタンに触る必要はなくなった。
即座に使えるようになったライブビュー
 ライブビューはマルチセレクター左下に専用 [Lv] ボタンが装備され、一発で切り替えができるようになった。またライブビュー中にボディ前面のファンクションボタンを押すと、格子線や水準器などを重ねて表示することができて便利だ。「三脚撮影モード」 のコントラストAFは大幅に改善され、スピードアップしている。明るくて状況が良ければ、ギューン、ピッ!と合う。状況がかなり悪いシーンだと、D300 では、ンーググググググー…ンーグググググ…で合焦だったが、D300S ではグーググググググぐらいで合焦する (グの数で雰囲気をつかんでほしい)。
 さて、ライブビューを使いたい撮影の一番はブツ撮りだ。中腰でファインダーをずっと覗くのは大変な重労働だ。その点、ライブビューなら覗き込まなくても良いからラクチンだ。また、通常のファインダー像はファインダー光学系自体のディストーションが加えられた像を見ているが、ライブビュー画像はそれがない。とくにアオリ機構を内蔵したPCレンズを使うときに、より正確に視認できてありがたい。さらにライブビュー画像は実絞り状態で表示される。そのためいちいちプレビューボタンを押さなくてもリアルタイムで被写界深度を確認できる。拡大もできるからピントの精度も上げられる。
アクティブ D-ライティングは[オート]がお奨め
 連続撮影速度は、D300 は 6コマ/秒からD300S では 7コマ秒にアップした。僕はこの秒 1コマのアップを高く評価したい。実際に撮り比べてみると、ものすごく違う写真が撮れるかというとそうでもない。しかし、ニコンと言えば報道。報道と言えばニコンだ。そうした特別な世界では 1コマの差で泣くことがある。なお、EN-EL4a を装着したマルチパワーバッテリーパックMB-D10 使用時の最高 8コマ/秒はD300と変わらない。
 アクティブD-ライティングは、平成19 (2007) 年秋にデビューしたD3 & D300 に搭載されて以来、ニコン・デジタル一眼レフカメラのウリになった。ハイライトをとばさず、シャドー部もつぶさない。印画紙プリントで言えば 「覆い焼き」 と 「焼き込み」 を同時にやっているようなイメージだ。ところがD3 とD300 のアクティブD-ライティングは、[なし][弱め][標準][強め]と分かれていて、撮るたびに設定する必要があった。これが煩わしい。そこで常に[弱め]にしておいて、調整はRAW現像時に行う方法が一般化した。だが、D300S には[オート]が追加された。このオートの出来映えがとてもよく、常にオートにしておいても問題ない。よほど気に入らない場合だけRAW現像で修正すれば良くなった。
カメラ内でRAW現像もできるようになった
 最後に、D300S で強化された再生・編集機能についても触れておこう。サムネイル表示は、1コマ表示モードのときに 「縮小/サムネイル」 ボタンを押すと、4コマ表示→9コマ表示→72コマ表示の順にサムネイル表示が可能になり、撮影枚数が多い場合でも素早く検索できるようになった。画像がポートレート写真なら、顔認識機能によって顔を中心に拡大することができる。しかも拡大した部分のみのヒストグラムを表示できる。背景部分が多い構図の画像でも、肌だけのヒストグラムが見られるのは便利だ。
 またボディ内編集機能も大きく変わった。D300 同様のD-ライティング、赤目補正、トリミング、モノトーン、フィルター効果、カラーカスタマイズ、画像合成に、新たに 「RAW現像」 、「リサイズ」 、「動画編集」 の 3つがくわわった。なかでもRAW現像はフラッグシップモデルらしく、[画質モード]、[画像サイズ]、[ホワイトバランス]、[露出補正]、[ピクチャーコントロール]はもちろん、[高感度ノイズ低減]の設定、[色空間]の変更までもが可能になっていると、至れり尽くせりだ。
(阿部秀之)
主なプロフィール
平成21年7月30日発表
平成21年8月28日発売
有効12.3メガピクセルCMOS
(ニコンDXフォーマット)
ISO200〜3200
(拡張100・6400)
RAW/JPEG (同時記録可)
HD動画
イメージセンサークリーニング
51点AF
1005分割 RGBセンサー測光
コンパクトフラッシュカード/SDHCメモリーカード/SDメモリーカード
3.0型モニター
AFライブビュー
フラッシュ内蔵
HDMI
防塵・防滴
発表時ニュースを読む
ニコン D300S フロント
『S』 モデルということで、外観デザインに変更はなし。サイズも変わらない。グリップ側サイドにまわると、SDも使用可能なダブルスロットのメモリーカードカバーがある。
ニコン D300S トップ
軍艦部のデザインも踏襲。ガイドナンバー17 (ISO200・m) のフラッシュを内蔵しているのもD300 と同じ。
ニコン D300S リア
AFエリアのセレクトボタンの横にライブビュー専用ボタンとインフォボタンが新設された。D300Sとひとめでわかるのは背面なのだ。
 
ニコン D300S サムネイル72コマ表示
複数の画像を一覧表示するサムネイル表示モード。4コマ / 9コマ / 72コマとボタンを押す度に切り替わる。目的の画像を捜すの時間が早くなった。
ニコン D300S 拡大表示+ヒストグラム表示
拡大表示中に顔を検出すると右下にナビゲーションウィンドウで顔を囲む白枠が現れ、サブコマンドダイヤルを回すとそこへ瞬時に移動。RGBヒストグラム表示も可能だ。

 

作例1
● ISO3200で撮影
 
写真をクリックすると拡大画像<640×425>になります。
作例2
● ライブビューモード
[三脚撮影]
写真をクリックすると拡大画像<640×425>になります。
作例3
● アクティブD-ライティング
[オート]
写真をクリックすると拡大画像<640×425>になります。
作例1 (C) 阿部秀之 作例2 (C) 阿部秀之 作例3 (C) 阿部秀之
D300Sの高感度ノイズは、D300に比較して明らかに減少している。しかも被写体の輪郭も崩れていない。ISO3200でこの画質であれば、ISO1000前後はノイズをまったく気にしないで使える。
■AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED マルチパターン測光 絞り優先AE (F5.6 1/25秒) WBオート ISO3200
もはやブツ撮りは、ライブビューで撮るのが常識だ。三脚撮影モードのコントラストAFの性能が増したので、ますます便利になった。
 
 
■AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED マルチパターン測光 絞り優先AE (F4 1/5秒) WBオート ISO200
アクティブD-ライティングオート。背景の緑は明るくなり、衣装の白とびも防げた。もうこれからは自分でいちいち設定する必要はない。アクティブD-ライティングはオートで決まりだ。
■AF-S NIKKOR 50mm F1.4G マルチパターン測光 絞り優先AE (F1.4  1/1,600秒) WBオート ISO200
 

※作例写真のサムネイル画像と拡大画像は、Web用に解像度と圧縮率を変更しています。
また、著作権者とモーターマガジン社の許可なくこの画像を二次利用することを禁じます。

主な仕様 ●有効画素数 : 1,230万画素 ●撮像素子 : 23.6×15.8mmニコンDXフォーマットCMOS、イメージセンサークリーニング付き、イメージダストオフデータ取得 ●撮像感度 : ISO200〜3200 (1/3、1/2、1段ステップ)、および減感ISO100、増感最大ISO6400が可能、感度自動制御あり ●画像形式 : JPEG/TIFF/12bit ・14bit RAW (RAWとJPEGとの同時記録可) ●記録メディア : コンパクトフラッシュカード (Type I ・UDMA対応) /SDHCメモリーカード/SDメモリーカード ●ファインダー : ペンタプリズム使用アイレベル式 、視野率約100%、倍率約0.94倍、アイポイント19.5mm、視度調整付き ●フォーカス : 51点測距、シングルAFサーボ/コンティニュアスAFサーボ (予測駆動フォーカスあり)/MF、AF微調節可能、AF補助光付き ●AFエリアモード : シングルポイントAF/ダイナミックAF/オートエリアAF ●シャッター : 電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター、30秒〜1/8,000秒 (1/3、1/2、1段ステップ) 、バルブ、X=1/250秒 ●測光方式 : 1005分割RGBセンサーによるTTL開放測光、マルチパターン/中央部重点/スポット ●露出制御 : プログラムオート (プログラムシフト可) /シャッター優先オート/絞り優先オート/マニュアル ●モニター : 3.0型 (約92万ドット) 低温ポリシリコンTFTカラー液晶、広視野角、明るさ調整付 ●ライブビュー : 三脚撮影モード (コントラストAF) /手持ち撮影モード (TTL位相差検出AF) ●フラッシュ : ガイドナンバー約17 (ISO200) ・約12 (ISO100) 、調光補正−3〜+1 (1/3、1/2、1段ステップ) ●電源 : Li-ion リチャージャブルバッテリー EN-EL3e /別売ACアダプターによるAC駆動 ●サイズ : 約W147×H114×74mm ●重さ : 約840g (本体)
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