パナソニック製マイクロフォーサーズ機の第3弾 GF1 は、G1 、GH1 よりさらにコンパクトだ 。それまで内蔵していたライブビューファインダーさえも取り去り、フラッシュ内蔵のレンズ交換式デジタルカメラとしては世界最小・最軽量を謳う。手にした感じは、サイズはたしかにコンパクトだが、重さは予想したよりも少し重い。デザインには意識してコンパクトデジタルカメラのそれを採り入れていて、スナップ撮影などにもいい。
ボディカラーはブラックのほかにホワイトがあり、後者は文字通りの真っ白。かつてこういう真っ白なコンパクトカメラにイルフォード・アドヴォケートやミノックス35EL の限定品などがあったが、いずれもお洒落なカメラだった。GF1 のホワイトボディもいい。女性がストラップで斜めがけするとさらにお洒落だ。
キットレンズには、GF1 のために薄さ25.5mmのパンケーキレンズが新たに用意された。開放F1.7のLUMIX G 20mm/F1.7 ASPH. レンズだ。想像したよりも大きかったが、大口径だからやむを得ないが、F2.8 にとどめてもっと薄くする道もあったはずだが…。絞り開放でボケを生かした写真も、絞り込んでパンフォーカスにした写真も撮れる。35mm判換算で約40mm相当という焦点距離は使いやすい。
GF1 はコントラストAF専用だが、このレンズを使っているかぎり、合焦までが遅いという感じはしない。レンズのフォーカシング機構も含めて、コントラストAFに最適化してあるのだろう。ボケ味もかなりいい感じだ。シャープネスも十分であり、GF1 のコンパクトカメラのような外観から受ける印象とできあがった画像のギャップにびっくりするぐらいだ。このレンズを付けっぱなしにしてもいいかな、と思わせるほどだ。
オリンパス・ペン E-P1 を使っている私は、「アートフィルター」 を多用している。GF1 にも 「マイカラーモード」 という、一種のデジタルフィルターが装備されている。デジタルカメラならではの “遊び” ができる機能である。ほかに、「フィルムモード」 もあり、各種の仕上げも可能だ。
「マイカラーモード」は、ペンタックスの 「デジタルフィルター」 やオリンパスの 「アートフィルター」 と似た発想だが、ポップ、レトロ、ピュア、シック、モノクローム、ダイナミックアート、シルエット、そして色や明るさ、鮮やかさを±5段階で調整できるカスタムが選べる。いずれも独特の色合いで、ほかのメーカーのものとはまたひと味違うフィルター効果だ。処理速度が速いのもいい。同じ被写体を異なるマイカラーモードで撮りわけてみると、効果の違いがはっきりわかる。個人的には 「ダイナミックアート」 ぐらい主張のはっきりした方が面白いと思った。
レンズ交換式デジタルカメラでの動画は 「ボケを生かせる」 、「超広角でも歪曲が少ない」 、「高感度に強い」 などの利点がある。しかし、ボケを活かすためにはほとんどの一眼がマニュアル露出で撮影しなければならず、初心者には敷居が高かった。
ところが、このGF1 では、モードダイアルで、[動画P] (シネカメラのアイコンとPの字) を選び、後ダイヤルを押して設定画面を[背景ぼけ具合]にすればスライドバーが表示され、カーソルを動かすだけ。背景のボケを大きくできたり、小さくできたりできる。ただ、この変更はあくまで適正露出の範囲内で行われるため、条件をかなり選ばないと差はあまり出ない。
なお、モードダイヤル[M]のマニュアル露出による撮影時に後ダイヤルをまわすと液晶モニターに 「露出メーター」 が大きく表示され、シャッター速度と露出、それらが適正かどうかを示してくれるから、初心者でも露出が合わせやすい。
ちなみに、静止画の[背景ボケ]はシーンモードに入っている。
GF1 の動画は1280×720 のハイビジョン画質を写せる。圧縮方式として 「AVCHD Lite 」 または 「Motion JPEG」 が選べるようになっているのも面白い。前者はMotion JPEGに比べて高い圧縮率で保存できるため、SDメモリーカードが同じ容量ならより長時間の記録が可能。後者のMotion JPEG は再生や編集の汎用性の高さが捨てがたい。
ちなみに、GF1 で装着可能なレンズは、パナソニックのマイクロフォーサーズ専用レンズ 「LUMIX G」「LEICA DG」 レンズや、オリンパスのマイクロフォーサーズ専用レンズ 「M.ZUIKO DIGITAL」 、それにレンズアダプターを組み合わせれば豊富なフォーサーズ用レンズが使える。
さらに、各種のマウントアダプターでほとんどのレンズ交換式カメラのレンズが使えるから、そういう遊びも楽しい。私は LUMIX 純正のアダプターを衝動買いしてしまった。マイクロフォーサーズ規格はフランジバック (マウント面からイメージセンサー面までの距離) が約20mmと短いから、ほとんどのレンズ交換式カメラのレンズをアダプターを介して装着して撮影することができるのだ。フランジバックが短いことで有名なライカLマウント (28.8mm) 、ライカMマウント (27.8mm) のレンズでも、後ろ玉が出ていないレンズならば (バックフォーカスが短くなければ) 、LUMIX 純正のライカマウントアダプターで装着、撮影できる。もちろん、ピント合わせは液晶モニター (または外部ファインダー) を使ったマニュアルフォーカスとなり、露出合わせもマニュアルだが、遊びとしては楽しい。
(那和秀峻)