キャプリオ R3 以来堅持してきた光学7.1倍ズームがCX2 ではついに10.7倍にまで拡張された。F値こそわずかに数値は増したが、撮影領域の拡大が計られ、ひいてはユーザー層も同時に広げた意義は大きいと思う。ちなみに35mm判換算の画角は、CX1 の28〜200mm相当からCX2 では28〜300mm相当と、より遠くのものを引き寄せて写せるようになった。
CX1 に搭載されたダイナミックレンジを画像合成によって広げる画期的な技術、「ダイナミックレンジダブルショットモード」 は、CX2 でより使いやすいものになった。CX1 では[微弱][弱][中][強]の 4種類からユーザーが自分で選んでいたが、ある程度使いこなさないと設定に戸惑うばかりだったが、CX2 では[AUTO]が加わり、誰でも白とびや黒つぶれのない広いダイナミックレンジの写真が写せるようになった。
モードダイヤルにもうけられた ”EASY (イージー) ” モードによって、シンプルな操作でだれでも簡単にきれいに失敗のない撮影を可能にしてきたRシリーズとCX1 のコンセプトはCX2 にも進化をともなって継承された。それは顔検出機能の拡大採用だ。CX1 ではシーンの[フェイスモード]にあった顔検出を “EASY” モードにも搭載したのだ。しかも検出できる人数を 4人から倍の8人にふやし、検出スピードもアップして実用性を高めている。
このほか、フル画素で5コマ/秒の高速連写性能や、グリッドガイド表示が「9分割」「14分割+対角線」「4分割+中央部トンボ」 の 3種類から選べたり、撮影した静止画をカメラ内で柔軟にトリミングできたり、「ミニチュアライズ」などシーンモードもより楽しくしているCX2 。一見すると、外観に大きな変化がなく、中身もたいして変わっていないように思えるが、内なるテクノロジーでは最先端を行っていると言っても過言ではない。
欲を言えば、GR DIGITAL III に搭載された 「フルプレス スナップ」 (シャッターボタンを一気押しすると、AFせずに[スナップ時フォーカス距離] で設定した距離にピントが合いシャッターが切れる速写向きの機能) が搭載されていれば…と思うが、代わりにシャッターボタンを押さなくても常時オートフォーカスが働いてピントを合わせ続ける新機能 「プレAF」 を駆使すればシャッターチャンスを逃すことはないだろう。コンティニュアスAFが搭載されたことも忘れてはならない。
CX2 は、撮り手ならだれもが望む、 ”気持ち良く写真が撮れる” ことを具現化している数少ないコンパクトデジタルカメラであると思う。
(曽根陽一)






