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ペンタックス K-x
  (6037 ヒット)
100色の話題の陰に潜んでいる高性能
 ペンタックス K-x でまず話題となったのは100種類のオーダーカラー。レギュラーカラーの黒、白、赤を含め、ボディカラーは全20色、これにグリップ5色を組み合わせてオーダーが可能というこれまでにない試みだけに注目されるのは当然だろう。
 デザインとサイズは K-m とまったく同じで、曲線を使ったやさしい雰囲気。これにうまくカラーバリエーションを組み合わせれば、まさに女性好みのカメラに仕上がるだろう。サイズは男性の手にはちょっと小さく感じるくらいだ。重さは515g とSRユニットの軽量化によりわずか10g だが軽くなっている。
 そのいっぽうで、K-x はカメラとしての機能も格段に向上していて、1,240万画素CMOSセンサーと新画像処理エンジン PRIME II により、ライブビュー撮影、ISO6400までの高感度常用域、秒4.7コマの連続撮影、HD動画撮影、レンズ収差補正などが可能になり、小さなボディに上位機種の機能がてんこ盛りされている。
 たとえば暗所などにおける高感度撮影だが、K-x ではカスタム設定によりISO12800の感度も利用できるようになったのはありがたい。K-m の上限である ISO3200で撮影して K-m と出来上がりを比較してみたが、K-x の画像はノイズも抑えられていて実用可能 (K-m も十分実用にたえるが) 。さらに上の拡張感度 ISO12800 にも挑戦してみたが、個人的な感想では十分使えると思う。
 そういった多機能ながら、ふだんよく利用する機能とメニューで切り替える機能が上手に振り分けられていて操作も分かりやすく、慣れが必要だと感じるところもなかった。ただし K-m から買い換えた場合には、ボタンの位置が同じでも操作内容が変更されているから、扱いに戸惑うかもしれない。画質は充分で、解像感の高さは K-7 をしのぐほど。K-m から買い換える価値も十分にある。
コンパクト・ユーザーも満足のライブビュー&動画
 K-m では5点のみだった測距点は、上位機種の K-7 同様に11点が搭載され、ワイドフォーカスエリアを利用して、より手軽にAF撮影できるようになった。操作はメニューから行うのが面倒だが、AFフレームを任意に選ぶことができるので、構図を優先した撮影もこなせる。ただ、合焦部分を知らせるスーパーインポーズがないのはちょっとさみしい。
 連写性能の向上も評価したい点だ。秒4.7コマ撮影は、兄貴分の K-7 の秒5.2コマに肉薄するもの。K-m (秒3.5コマ) と比べれば体感的にもかなり速くなり快適になっている。動きの速い被写体もシャッターチャンスを逃さずに捉えることができる。JPEGなら17コマまで撮り続けられるのも実用的なレベル。ただ低輝度の条件でAF-C (コンティニュアスAF) にして動いているものを撮影すると、連写速度が落ちたり、連続撮影コマ数も4コマや5コマあたりで一瞬止まったりすることがあった。
 K-x では、ライブビューと動画撮影という新しい機能を搭載している。ライブビューへは、専用の[LV]ボタンですぐに切り替えられる。AFはコントラスト検出方式で、16人まで顔認識機能も搭載され、まるでコンパクトデジタルのように構えて記念写真やスナップを写せる。ライブビュー時に表示される画像の解像度が低いのか、6倍に拡大したときにジャギーが見られた。できれば、もう少し拡大して厳密なピント合わせをしたいところだ。
 動画は、1280×720のHD動画を写せる。ファイル形式はAVI 、圧縮方式はMotion JPEG とパソコン編集と親和性が高いのがいい。カメラにマイクも内蔵しているが、モノラルだ。
K-m から買い替えても満足できる楽しい機能
 K-x にも、K-7 でおめみえしたペンタックス独自のホワイトバランス・プリセット 「CTE」 が搭載された。一般にAWB (オートホワイトバランス) が色温度の違いが色に与える影響を打ち消すように働くのに対し、CTE はその逆に補正する、いわば強調機能。下の作例のように日陰の滝をCTEで撮影すると、日陰なので青みがいっそう強調される。もちろん通常のAWBで撮影してもなんら不満はなく補正される。
 また、K-m のデジタルフィルタのような特殊効果ではなく、K-x では本格的なHDR撮影が可能となった。3枚の露出が異なる画像をカメラ内で合成し、ハイライトからシャドーまで再現した画像を作り出す機能は、最近はデジタル一眼の定番となりつつある。通常の撮影では白とびや黒つぶれが起きてしまう輝度差の大きなシーンで効果を発揮する。ただし、HDRの撮影に際しては必ず三脚を使って撮影しよう。重ね合わせる関係上、動く被写体には適さないことも知っておこう。
 もうひとつ、クロスプロセスモードの搭載は、この K-x がいち早く採り入れた機能だ。クロスプロセスとは、フィルムの現像作業を規定通りに行わないことで (リバーサルフィルムをネガフィルムの現像液で現像するなど) 、その結果偶然に生まれる発色やトーンの仕上がりを楽しむもの。K-x では撮影時にトーンカーブ、彩度、コントラストのパラメーターをカメラがランダムに変えて、同じような仕上がりを楽しむことができる (JPEGのみ) 。予測できない意外性が、写って当たり前となった写真にワクワク感を追加してくれる。
(小林義明)
主なプロフィール
平成21年9月17日発表
平成21年10月16日発売
有効12.4メガピクセルCMOS (APS-Cフォーマット)
ISO100〜6400 (カスタムでISO12800可)
センサーシフト式手ブレ補正
センサーシフト式ゴミ除去
SDHCメモリーカード/ SDメモリーカード
11点AF
16分割測光
2.7型液晶モニター
AFライブビュー
HD動画
フラッシュ内蔵
単3形電池駆動
発表時ニュースを読む
ペンタックス K-x フロント
銀のストライプが走るボディのサイズは、K-m と同じで小さい。幅122.5mm 、高さ91.5mm 、厚さ67.5mmで重さは撮影時でも約615g ほど。
ペンタックス K-x トップ
上面にはモードダイヤル、露出補正ボタン、そして機能割り当てのできるグリーンボタンがあるだけ。設定を表示する液晶パネルなどは一切ない。
ペンタックス K-x リア
2.7型モニターを取り囲む操作スイッチは意外に少ない。エントリー機種ならではのシンプルさで、コンデジからのステップアップ組も圧倒されずにすみそう。
 
ペンタックス K-x ステータススクリーン
「ステータススクリーン」 と呼ぶ、撮影時に表示される基本画面。現在のカメラの設定 (全26項目) がひとめでわかる。
ペンタックス K-x コントロールパネル
ステータススクリーンでINFOボタンを押すと表示され、各種設定をここから変更できる。HDRやデジタルフィルターもここにある。

 

作例1 ● HDR
写真をクリックすると拡大画像<640×425>になります。
作例2 ● ISO12800
写真をクリックすると拡大画像<640×425>になります。
作例3 ● CTE
写真をクリックすると拡大画像<640×425>になります。
作例1 (C) 小林義明 作例2 (C) 小林義明 作例3 (C) 小林義明
朝日が雲海の広がる山の向こうから昇ってきた。輝度差があり通常の撮影では再現できない地上の景色もHDRで再現できた。
■smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL 中央重点測光 マニュアル露出 (F13 1/30秒) カスタムイメージ=鮮やか HDR=強 WB太陽光 ISO200 三脚使用
拡張感度の、しかも上限だけにかなりノイズっぽくなるかと思ったが、ISO3200 と比べて大きな差を感じない優秀な画像となった
■smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL 中央重点測光 絞り優先AE (F11) WB太陽光 カスタムイメージ=鮮やか ISO12800 三脚使用
色温度がいっそう高く設定されて滝の水流の青みが強くなっているが、紅葉の部分は色を損なわず、いい雰囲気だ。
■smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL 中央重点測光 マニュアル露出 (F8 1/8秒) WB=CTE ISO200 カスタムイメージ=鮮やか 三脚使用
 
☆クロスプロセスモードを試す
●クロスプロセスモード作例1
●クロスプロセスモード作例2
●クロスプロセスモード作例3
クロスプロセスモード作例1 (C) 小林義明 クロスプロセスモード作例2 (C) 小林義明 クロスプロセスモード作例3 (C) 小林義明
ハイキー調な仕上がり。カスタムイメージを 「ほのか」 にするとこんな感じだろうか。
ハイキー調ながら彩度も高くなっていて、ぱっと見たときの鮮やかさを感じられる仕上がり。
カラーバランスを崩し、かなり赤を強調した発色となっている。これもまた意外でおもしろい。
共通データ■smc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8ED 絞り優先AE (F7.1 1/125秒 +0.7EV補正) カスタムイメージ=鮮やか WB太陽光 ISO400
 

※作例写真のサムネイル画像と拡大画像は、Web用に解像度と圧縮率を変更しています。
また、著作権者とモーターマガジン社の許可なくこの画像を二次利用することを禁じます。

主な仕様 ●有効画素数 : 約1,240万画素 ●撮像素子 : 23.6×15.8mm APS-CサイズCMOS ●ぶれ補正 : 撮像素子シフト式、最大約4段分 ●ゴミ対策 : 撮像素子駆動式ダストリムーバル機能、ローパスフィルターへのSPコーティング ●撮像感度 : AUTO/任意 (ISO200〜6400、1/3 ・1/2 ・1EVステップ)、バルブ時は ISO1600 まで、カスタム設定で ISO100〜12800 可能 ●画像形式 : 静止画=JPEG/12bit RAW (PEFまたはDNG) 、動画=AVI (Motion JPEG、24fps) ●記録メディア : SDHCメモリーカード/SDメモリーカード ●ファインダー : ペンタミラー使用アイレベル式、視野率96%、倍率約0.85倍 (50mmF1.4 ・∞)、スクリーン固定式 ●フォーカス : 11点測距、オートAF/シングルAF/コンティニュアスAF (選択モードによる) ●測距点 : 5点オート/11点オート/セレクト/中央に切り替え可 ●AF補助光 : 内蔵マルチストロボによる ●測光方式 : TTL開放16分割測光、分割/中央重点/スポット ●露出モード : オートピクチャーモード/プログラムAE/感度優先AE/シャッター速度優先AE/絞り優先AE/マニュアル露出 ●露出補正 : ±3EV (1/3EV、1/2EVステップ) ●シャッター : 電子制御フォーカルプレーンシャッター、30秒〜1/6,000秒 (オートは無段階、マニュアルは1/3EV ・1/2EVステップ) 、バルブ、X=1/180秒 ●モニター : 2.7型 (約23万ドット) TFTカラー液晶、広視野角、明るさ調整機能付き ●ライブビューフォーカス方式 : コントラスト検出+顔検出/コントラスト検出/位相差検出 ●ライブビュー : CMOSによるTTL方式、拡大表示・グリッド表示・ヒストグラム表示・白とび黒つぶれ警告表示 ●内蔵ストロボ : オートポップアップ式P-TTL、ガイドナンバー約12 (ISO100 ・m)、照射角28mm相当 (35mm判換算) をカバー ●電源 : 単3形電池 (リチウム、ニッケル水素、アルカリ) ×4本 ●連続撮影可能枚数 (CIPA規格) : 約1,900枚 (ストロボ発光なし) /約1,100枚 (ストロボ50%発光) ●サイズ : W122.5×H91.5×D67.5mm (突起部除く) ●重さ : 約515g (本体)/ 約580g (リチウム電池 ・SDカード含む) /約615g (アルカリ電池 ・SDカード含む)
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