タムロンのAF55-200mm F/4-5.6 Di II LD MACROは、APS-Cサイズのデジタル一眼レフ専用の望遠ズームで、35mm判換算で85〜310mm相当の画角の持ち主。もともと、デジタル一眼を標準ズームキットで購入したビギナーが次に欲しくなる、2本目のレンズとして企画された製品だが、後述する写りのクオリティを考えると、中〜上級者のサブレンズとしても十分役目を果たしてくれると思う。
外装はズームリングのラバー部分が広く、使い勝手は非常によい。MF用のフォーカスリングは申し訳程度にローレットが切られたレンズ先端部のみだが、前玉回転式なので、MF時はむしろ付属のフードをつかんで回した方が操作性はよかった。鏡胴はプラスチック製だけど、表面が細かい「ちりめん模様」になっているなど仕上げには気をつかっており、高級感はないけれど安っぽくもない好感の持てる外観である。マウントは一見するとただのプラスチックに見えるが、実はステンレス製の芯にエンジニアリングプラスチックをかぶせたハイブリッドで、堅牢さと軽量を両立。通常の真鍮製マウントに比べて70%以上も軽いという。
APS-Cサイズ撮像素子のデジタル一眼レフカメラ専用ということで、イメージサークルは35mm判用よりも小さくなっているはずだが、試しにフィルム一眼に装着して撮影しても、周辺のケラレは本当にごくわずかだけだった。このためAPS-Cサイズデジタルであれば周辺光量不足はまったく感じなくてすむ。
実写結果は非常に良好で、ピントのシャープさやコントラストの高さは言うに及ばず、画面周辺部の乱れもほとんどない。画角ごとの画質変化も少なく、約3万円という価格が信じられないほど高画質という印象だ。絶対的な明るさと、ある種の繊細さ、そしてボケ味以外は大口径ズームと比べても引けを取らないだろう。最短撮影距離は95cmで、AF18-200mm F/3.5-6.3 XR Di II(45cm)あたりと比べると物足りなく感じるかも知れないが、インナーフォーカスではないので近距離撮影時でも焦点距離変化は少なく、撮影倍率が高いのも魅力だ。
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