ペンタックスには世界で初めて魚眼レンズをズーム化したフィッシュアイズーム17-28mmF3.5-4.5が以前からあるけれど、あれは35mm判用ということで、APS-Cサイズ撮像素子を搭載する*ist Dシリーズでは魚眼効果が得られない。というわけで、デジタルの*ist Dシリーズ専用魚眼ズームとして新たに設計されたのがsmc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5ED(IF)だ。もちろんデジタル専用魚眼としては世界初のズームである。
10mm時には180度の画角を得られる対角魚眼として使え、そこからズームアップすることで17mm時の100度まで画角変化を楽しめる。どのズーム域においても、魚眼特有の強い歪曲収差を残したままなのがこのレンズ最大の特長だ。魚眼=180度の画角という意味では、10mm時以外は単なる「歪曲収差がまったく補正されていない広角」ということになるが、通常の広角ズームでは味わえない、不思議な「歪んだ世界」をどう活用していくかがこのレンズを使うポイントになるだろう。
35mm判用の17-28mm F3.5-4.5では最短撮影距離が45cmと遠いのが弱点だったが、今度のDA 10-17mm F3.5-4.5 ED[IF]では単焦点魚眼と同等の14cmまで寄れるので、思い切りパースペクティブを強調した撮影も可能となった。ちなみに最短撮影距離の14cmというのはCCD面からの距離であり、レンズ前面からの最短距離=ワーキングディスタンスは、なんと2.5cm! ここまで寄れると前玉を被写体にヒットさせてしまうことも十分考えられるが、その対策として前玉表面は特殊なフッ素系物質を蒸着させたスーパープロテクトコーティングが施されており、汚れがつきにくく、なおかつ簡単に拭いて落とせるように配慮されている。
写りは、魚眼レンズとしてはハイレベルで、フレアの少ないクリアな描写だ。魚眼なので周辺部があるていど流れるのは当然だが、それもよく抑えられている方である。遊び心満載の楽しいレンズが登場したものだ。
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