APS-Cサイズ撮像素子のデジタル一眼レフカメラが出始めた頃は、17-35mmあたりの35mm判用広角ズームを標準ズーム代わりに使っていた人が多いと思うけれど、17-35mmだと標準ズームとして使うにはやっぱり望遠側が短すぎで、ちょっと使いにくい。それに、APS-Cデジタル一眼をメインカメラとして使い出すと、35mm判用のイメージサークルを持つ17-35mmは、どうしても「必要以上に大きい」と思えてしまうようになる。つまり、ズーム倍率が小さい割にサイズが大きく、APS-Cデジタル一眼で使うにはムダが多いということだ。
そこで便利なのが、今回試用したタムロンSP AF17-50mm F/2.8XR Di II(以下A16)のような、17-50mmあたりの焦点距離を持つデジタル専用標準ズームだ。すでにカメラメーカー純正のデジタル専用標準ズームとしてはポピュラーな焦点距離設定だけど、メーカー純正のそれはたいていF3.5-5.6くらいの普及タイプなのに対し、タムロンのモデルA16は“ズーム全域で”F2.8と明るいのが特長。ニコンやキヤノンからは同焦点距離でF2.8の大口径タイプも出ているが、それらに比べてはるかに小型軽量なのは、さすがにタムロン製である。
今回使ったキヤノンEOS 20Dボディでは、35mm判換算で27-80mm相当の画角になるわけだけど、やはりこのくらいの焦点距離が標準ズームとして使いやすいことを実感できた。しかもF2.8と明るいので、少々暗めなシーンでも感度アップなどに頼ることなく、難なく撮影できてしまうのは快感である。最短撮影距離も27cmと短いので、被写体に寄り切れなくてイライラすることもない。写りはタムロンの高級ライン「SP」に共通した立体感のあるもので、その繊細な描写は同焦点距離の普及クラスズームとは一線を画すデリケートさである。ズームロックの装備など使い勝手の面もよく考えられており、トータルバランスに優れた標準ズームと言えよう。
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