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第1回 プロのモニター使い 並木隆

並木 隆

並木 隆(なみき たかし)

1971年東京生まれ。様々な職業を経験しつつ、写真家・丸林正則氏の指導を受けた後にフリーカメラマンとして独立。写真・カメラ雑誌にて作品発表、執筆を続けると同時に撮影セミナー等でも活躍中。

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■キヤノンEOS 7D EF100mmF2.8L Macro IS USM 絞りF2.8 1/320秒 WB:オート ISO400 RAW

「僕がカメラ同様に大切にしているのがモニターです」と語るのは、ネイチャーフォトグラファー・並木隆である。

「プリントは、僕にとって写真の最終形態のひとつ。その課程で、正確な階調再現性が得られるモニターでの確認作業は必要不可欠ですから」

並木の写真といえば、繊細なグラデーションをモチーフにした花のクローズアップが真骨頂。それだけに、色調には人一倍気を遣うのだ。並木がナナオのColorEdge(カラーエッジ)に着目するきっかけとなったのは、当時、使用していたパソコンにセットで付属していたモニターに強い不満を感じている時だった。モニターに映し出されている画像と、実際にプリントされてくるプリント結果の色調が違い過ぎていたのだ。その後、市販のキャリブレーションキットに数十万円の投資をしたりもしたが、試行錯誤の末に落ち着いたのがColorEdgeであった。

「ColorEdgeを導入してストレスがなくなりました。モニターで追い込んだ通りの仕上がりが得られるので、以前と比べて、大幅に手順を少なくすることができました」

愛用するColorEdgeはキャリブレーションセンサーを内蔵した27型の『EIZO ColorEdge CG275W』と24.1型の『EIZO ColorEdge CG243W』の2台。どちらもフルに活用している。

「CG275Wの方は、設定した日時に自動的にキャリブレーションを行ってくれるのが便利です。また、どちらも起動してから輝度および色度が安定するまで時間をさほど必要としないことも、せっかちな僕にとっては有り難いです(笑)。こうした作業効率はもちろん、インクやペーパーのロスが最小限に抑えられるようになったのも、正直、大きいです。プリントには妥協したくないですが、お金も時間も大切ですからね」

作業する並木氏
並木氏は、通常3台のモニターを活用する。レタッチ作業(CG243W)、鑑賞(CG275W)、文字原稿用(iMac)として使い分けている。

プロカメラマン並木隆の作品制作を、快適かつ強力にアシストしてくれるのがモニターの存在である。では、数あるモニターの中から並木がColorEdgeをチョイスした理由は何だったのだろうか?

※記事中で並木氏が使用しているCG243Wは販売終了しており、現行機種はスタンドを可動範囲の広いFlexStandに変更したCG243W-Bとなります。

★セルフキャリブレーション機能
「ColorEdge CG275W」、「ColorEdge CG245W」は専用のキャリブレーションセンサーをモニターのベゼルに内蔵する。センサーはキャリブレーション時のみ自動で現れるので、取付けや取外しという手間も不要。  さらに、モニターが定期的なキャリブレーションを実施する「セルフキャリブレーション」機能も搭載。ユーザー不在時やパソコンの電源がオフの状態でも、設定したタイミングに自動的にキャリブレーションを行うので、常に一定の安定した表示を保てる。

セルフ

CG275Wに内蔵のセンサーを使ったキャリブレーション。工程は自動化されており、あっという間に実行できる。

★遮光フード
ColorEdgeシリーズに付属する遮光フードは、内面に植毛処理が施され、蛍光灯の映り込みなど外光反射やモニター表示の光の反射を効果的に防ぐことができる。
 また、遮光フードの上部がスライドするため、外付けのキャリブレーションセンサーの使用も容易とするほか、「ColorEdge CG275W」、「ColorEdge CG245W」では、モニターの縦回転時にも取付けを可能とする。

遮光フード

オフィス等、どうしても環境光の影響が避けられないような場合は遮光フードが大いに役立ってくれる。

★可動範囲の広い独自のスタンド

ColorEdgeには、モニターの昇降・チルト・回転の可動範囲が広いスタンドを採用する。「Color Edge CG275W」では、モニターの最大昇降190mmチルトは上方向に25度、左右は各172度回転する。「ColorEdge CG245W」および「ColorEdge CG 243W-B」では、最大昇降225mmチルト30度、左右各172度回転する。
 さらにワンタッチでモニターを縦位置にすることも可能だ。

セルフ

タテ位置画像を画面いっぱいに表示できるのがいい。

★画面の均一性
ColorEdgeには、モニター全域の輝度(明るさ)および色度の均一性を向上する「デジタルユニフォミティ補正回路」を搭載する。この回路は、輝度および色度の不均一な部分を、すべての階調で調整を行うことにより、モニター全域での色とガンマ値の均一性を図るというもの。
ちなみに、ColorEdgeには、工場出荷時にモニターの輝度、色度を測定したΔ(デルタ)E値や測定環境、測定ポイントを記載した調整データシートを製品に同梱しているが、これは画面の均一性におけるナナオの自信の現れといってよいだろう。

デジタルユニフォミティ補正があるとナシとでは大違い! こうした普段「見えない」部分がとても重要なのです。(ナナオ提供の資料より)

補正回路なし

セルフ

補正回路あり

セルフ

セルフ

CG275Wの画面全体のΔE*ab分布(センター基準を)色分けした画像(測定階調128階調)・・・この図の結果により、デジタルユニフォミティ回路を搭載することで、大幅に輝度ムラ・色度ムラを防いでいるということが分かります。

★IPSパネル
ほとんどのColorEdgeでは、見る角度や位置によって、色合いやコントラスト、階調特性の変化が少ないIPS方式の液晶パネルを採用する。
多方向から複数人でモニター画面を見るときも視野角度による白浮きや色の変化のようなものがなく、同じイメージを共有できるのだ。

IPSパネル

液晶テレビにも積極的に採用されているIPSパネル。ギラツキが少なく、長時間モニターを見続ける際の疲労が軽減されるのが嬉しい

EIZOには、同じワイドモニターとしてFlexScan SXシリーズシリーズがライナップされている。カラーマネージメントモニターとして多くの写真家から支持されるColorEdgeの血統を引き継ぎながら、より手に入れやすい価格としたモニターだ。
Adobe RGBカバー率はColorEdgeと同等で、色むらを抑える「デジタルユニフォミティ補正回路」や、起動時から短時間で輝度を安定させる「輝度ドリフト補正機能」なども搭載。簡単カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」に対応する。

●FlexScan HXPX

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22型のワイドモニターにカラーマッチングツールEIZO EasyPIXを同梱したモデル「Flex
Scan」。ColorEdgeの基本性能を受け継ぎながらもリーズナブルな価格(7万円未満)がうれしい。

モニター ミニ知識 1

モニターキャリブレーションの必要性

正確な画像表示のためにはモニターのキャリブレーションが不可欠である。キャリブレーションは、大きく分けてソフトウェア・キャリブレーションとハードウェア・キャリブレーションの2つがある。

ソフトウェア・キャリブレーションは文字通りソフトウェアでパソコンからの出力信号を調整するものだが、表示階調が犠牲になりやすく、階調減少による階調とびや色つきが発生しやすい。

一方、ハードウェア・キャリブレーションはモニターの内部回路の設定のみを調整して色表示を補正する方法。

こちらは階調が犠牲になることもなく、さらに作業結果に個人差が出にくく、常に正確なキャリブレーションを短時間で行うことができる。

ウエアキャリブレーションソフト表示イメージモニター上のガンマカーブイメージ諧調飛び輝度256諧調色つきハードウエアキャリブレーション輝度256諧調滑らかなグレースケール

モニター ミニ知識 2

古いモニターには要注意!

古くなった、あるいはキャリブレーションのできないモニターは、正確な色再現ができないばかりか、輝度ムラおよび色ムラが発生していることが多い。これでは、いくら素晴らしい作品であっても正しい画像評価は絶望的だ。カメラやレンズに目を向けるように、写真をより深く楽しむのならモニターにも気を遣いたい。

 

ちなみにナナオでは、ColorEdgeに関して5年間の長期製品保証と3年間の輝度保証を行っており、長期にわたって安心して使用できる。

古くなったモニタ

手前のノートPCは、8年間使われ続けたもの。ひと目で発色がおかしく、階調も失われているのが分かる。

モニター ミニ知識 3

作業環境でもモニターの見え方は大きく変わる!

プリントがそうであるように、モニターも周辺の光によって見え方が変わってくる。

こだわりのあるプロは蛍光灯の色温度も統一するのだが、まずはカーテンなどで強い外光を遮断するだけでも大きな効果が得られる。また、モニターに室内の灯りなどが直接当たるような場合は、遮光フード等を活用しよう。さらに、正しい姿勢で作業を行うことも大切だ。

カーテン

日中は遮光カーテンなどで外光が入らないようにするのが基本。部屋のなかに強い光源があるような場合は遮光フードを使おう。

撮影

RAW&ノートリミングが基本

撮影は原則的にRAWフォーマットを選択。色空間もsRGBよりも広い色域をカバーするAdobe RGBとしている。アングルは後作業でトリミングせずに済むように、しっかりとファインダーで確認しながら撮影を行う。もちろん適正露出を心がける。「現場で手を抜かないことが一番の近道ですよ」

レタッチ作業

修復ツールなんて使いません

RAW現像および細かな調整は、カメラメーカーの提供する画像ソフト(キヤノンDPP)を使用する。Adobe RGBカバー率が100%に近いColorEdgeなら正確な色調の調整が可能だ。

WB・ピクチャースタイル設定

まずはWBを「太陽光」に設定する。「オート」を選択するよりも色のヌケがよいから、というのが理由だ。ピクチャースタイルは「スタンダード」が基本。「風景」にしないのは「色の濁りが好きではないから」とのこと。

ハイライト&シャドー調整

ハイライトが白トビしない程度に明るさを調整、さらにシャドー部を締めて画面にメリハリを与える。微妙な階調が画面上で把握できるのも、精度の高いモニターがあればこそ。

トーンカーブ調整

トーンカーブで全体的に画像の濃度を調整する。ここでの作業が作品のイメージを決定づけるので慎重に行う。

シャープネス調整

調整幅は出力する用紙サイズで変わってくるが、この部分にはまったく手をつけないことも多いという。

出力

作品完成までの最短は2枚のプリント

現在、並木が使っているプリンターは2台。キヤノンのPIXUS Pro9500 Mark?とPro9000 Mark?だ。雑誌等のマッチプリント(色見本)として出力する際はPro9000を使い、Pro9500はA3出力専用とのこと。「なんの調整もせずに、まずは素の状態で1枚プリント。その結果を見ながらモニターで追い込む、というのがいつもの僕のパターンです」


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