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第2回 ColorEdgeの故郷を訪ねる工場見学

生産を海外で行う日本のメーカーが増える昨今、ナナオはColorEdge(カラーエッジ)を始めとするほとんどの国内向けカラー液晶モニターの、企画開発から生産・品質管理までを一貫して本社のある石川県で行っている。
そんなColorEdgeの故郷を訪ねてみよう。
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■ナナオが誇る「電波暗室」(外部の電磁波を完全に遮断できる部屋)にて。広大な室内の壁面には電波吸収体が隙間なく貼られ、不気味ながらもちょっとカッコイイ。

工場見学記と言いつつ酒と食べ物の話から入るのは恐縮ですが、感動したことは正直に伝えねばなりません。

酒が旨いのは、すなわち水質の良い場所であるということ。長野県に精密機器の工場と有名酒蔵が集中しているのと同様でしょう。が、北陸はそれにプラスして海も直近にあるのですよ。日本海の荒波に揉まれ、ビッチビチに身が締まったおサカナたち(イメージ)です!

つまり、酒と肴、この両者がそれぞれを引き立たせる「シナジー効果」ですね。さらに物価とか人口密度を勘案すれば、うらやましいぞ北陸! となるのです。と、ここで、この地域の真冬の厳しさとかがすっかり欠落しているようですが、銘酒「黒帯」をグイグイ呑んでいるうちに忘れました。

で、次いで心に残ったのは、JR金沢駅には自動改札なんぞなかったことですかね。列車の時間が近づくと、「銭湯の番台」みたいな場所に駅員さんが着席するんですよ。

おっと、ナナオでしたね。実はナナオ本社があるのは金沢市ではなく、隣の隣の白山市です。ともあれ、このように食に恵まれた北陸の地で、ナナオのモニターはどのように作られているのでしょうか?

作業する並木氏

〜高性能モニターができるまで〜

STEP1組み立て〜ここで外観はほぼ完成〜

シビアな検査基準をクリアした末に納入された液晶パネル。まずはこれに、ナナオのノウハウがギッチリ詰まった基板類(インバーター基板・電源基板・メイン基板)や板金、さらにスタンドまで組み込まれてゆきます。ここでは効率重視というよりも、確実かつ丁寧に作業が行われている印象を強く受けました。これはラインに従事する方のほぼ全員が女性だった、というのもあるかも。そうです、ColorEdgeを育てていたのは「北陸の女たち」の細やかな手さばきだったのです!

また、この段階からすでにIDタグによる個体の識別がなされているのには驚きました。

セルフ

ColorEdgeのラインで作業されている方は妙齢の女性ばかり! この月カメ編集部とは正反対の状況にカメラを持つ編集長の手もブレ気味。

STEP2エージング検査/調整〜愚直ゆえの放置…〜

エージングとは、電子機器の通電(電源ON)→状態が安定する(正確な調整ができる)まで一定の時間を置くこと。モニターの場合は画面の輝度や色度が落ち着くまで、となる。「単なる放置では?」と言ってしまえばそれまでだが、工程をひとつ増やすことはすなわち出荷までのスピードが鈍るということ。ColorEdgeの生産ラインは、エージング工程にたっぷり時間を設けていました。効率よりも品質を重視していることが伺えました。
 エージング完了後、輝度やホワイトバランスの調整を一台ずつ行います。それにしても通電して真っ白画面のモニターがズラリと並ぶ姿が圧巻でした…。

セルフ

整然と並べられた、エージング中のColorEdgeさんたち。ひと昔前のSF映画の世界みたいでした。

STEP3自動ユニフォミティー測定〜と、ここでロボット登場!〜
自動ユニフォミティー測定とは、画面上の表示のばらつきを確認するための作業。
 ColorEdgeの生産ラインでは、この測定はアームロボットによって完全に自動化されている。画面上を細かいエリアに区切り、ロボットが指定の位置を測定。輝度・色度が、基準値以内であることを自動で判定している。
 ここでの補正結果を記入した「ユニフォミティ出荷データシート」は保管されると同時に、試験結果報告書として出荷時に同梱される。本来なら内部資料で止めておきたいデータをあえて添付するのも、ColorEdgeならではの自信の表れと言えるだろう。

セルフ

STEP4検査〜最後は"やっぱり"北陸の女がシメる!〜

 ロボットによる測定も終え、さあ梱包&出荷…と思いきや、最終工程においてまたまた「北陸の女」さんが登場! なんとオーラスは目視でWBをチェック! 様々なテストパターンを表示させつつ、厳しい目を光らせる。その「眼力」たるや推して知るべし、さすがの諏訪光二も驚いていました。そしてその余韻も醒めぬウチにタイコのバチみたいので「コンコンッ」と筐体を叩くのです! が、これは別にウサ晴らしでもなんでもなく軽衝撃試験という立派なチェック項目だそうな。
 で、晴れて合格したColorEdgeには、エンブレムたるステッカーがペタリと貼られます。
 ロボットに仕事をさせつつも、最後は人間、しかも妙齢の女性に肩を叩かれながら送り出されるのです。単なる工業製品とは思えぬニクイ奴です。

セルフ

彼女のアタマの中にはあらゆる「ホワイトバランス」がインプットされているのであった。

見学を終えて

◆最終チェックが「人間の目視」  …感動しました! 諏訪光二

 普段愛用しているナナオのモニターの製造過程が見られると、かなり期待して行ったワタシ。説明を聞きながらいちいち頷いてしまいました。
 その行程は思ったよりシンプル。でもそのシンプルな行程が、非常に繊細に作業されていることには、ちょっと驚き。ワタシの中で複雑だろうと思っていた部分と、シンプルで簡単だろうと思っていた部分も大きく違っていたのです。もちろんシンプルといっても手を抜いているわけではない。測色や色調整といったプロカメラマンにとって大切な部分はかなりしっかり。だからこそワタシはナナオのモニターを使ってきているんだけどね。
 で、ここでも驚きがあった。それは、最終チェックを人間の目視で行っていること。もちろん訓練を受けた熟練の担当者がやっているのですが、最後は人の目でフィニッシュだなんて! これは他メーカーが追随できないわけですね。そういう人を育てるだけでも何年もかかるでしょうから。さらに、ナナオのモニターを購入するとデータシートが付いてくるんだけど、現場でナニをやっているかを見ることで、その表記や意味がしっかりと理解できました。
本当にいい経験をさせてもらいました。食べ物もおいしかったし(笑)。

◆唯一無二の「当たり前」 のモニター。 広田 泉
 現在(ColorEdge)CG275を使っているんだけど、これまでモニターがどうやって作られ、自分のアトリエに来たのかなんて考えたこともなかった。我々がモニターに求めているのって、写真が(当たり前に)忠実に見えて何もトラブルがないこと。なのに、この2つの当たり前のことができていないモニターがいかに多いことか…。でも、CG275に電源入れてセットアップして使ってみると、「うーん何の不満もない。いいねぇ」なんて素直に感動してしまった。
 ナナオのモニターって、こうした部分をサラッとやってのけちゃうんだよね。だからこそ、どうやって作られているかも気になってきた。
 実際に工場見学してみて分かったこと。 
 それは徹底的な品質管理。なんて言うだけなら実に簡単なのだけど、従業員の方々の「ここまでやるのか?」っていう作業内容と、それをサポートすべく作業しやすいように設定された空間と設備。最終段階での入念なチェック。この一連の流れを見ていると、つくづく「当たり前のモニター」が完成するまでの道のりは大変なんだなぁと痛感!

ナナオ本社工場ルポを 動画配信!

この工場見学の模様は、諏訪光二氏が主宰する“CHANNEL LIGHT PARTY”のネットTVにて配信されます。ということで諏訪・広田両氏は出演者ですから、必然的に残った者(編集部2名)がスチールおよび動画撮影を担当することに。諏訪先生、編集よろしくです。

一貫本社体制のメリット

ナナオでは頻繁に、ColorEdge製品に関わる全ての人が集まり、情報共有の場を設けている。些細な意見交換からトラブル対処まで、即時対応するのが狙いだ。こうした風通しの良さもまた、企画から生産、品質管理まで石川にすべての部門が揃っていることの大きなメリットと言えるだろう。

組み立て訓練ステージ

工場では、新人さんやスキルアップを目指す人のために、様々なトレーニングが用意されている。作業ペースの習得や両手での作業の訓練など、簡単なようで奥が深いのがミソ。画像はいつしか熱くなる負けず嫌いの二人。

ナナオ本社工場ルポを 動画配信!

ま、その、いいオトナが本当に「潜入」したりすると、間違いなく「通報」されるワケでして、あくまで「ナナオ社内にはこんな施設もあった!!」という気持ちを汲んでください。でも、とっても面白かったですよ!

その1 ライフ試験室

ライフ試験室 写真01

その名の通り24時間モニター電源入れっ放し、過酷な条件下での耐久性を検証するお部屋です。室温は35度に保たれ、とってもポカポカ…というかモニターにとっては相当キツイでしょうな。ここでは量産前の製品はもちろん、すでに発売済みのモニターも並んでテストされています。
生産現場のすぐ近くにこうした施設があるのは大きなアドバンテージと言えるでしょう。でも、無数のモニターが夜中も点灯しているというのは、ちょっとコワいかも。

ライフ試験室 写真02

真っ白な画面を感慨深げに見つめる広田氏。いえ、単にポーズをとってもらっただけです。

その2 電波暗室

電波暗室 写真01

携帯電話やテレビ、WiFiなど、世間には荒波のみならず無数の電波が飛び交っています。電波暗室とは、こうした外部からの電磁波をシャットアウトするための空間です。つまり部屋の内部を完全にシールドすることで、測定対象(新型のモニター等)が有害な電磁波を発していないか検査できるのです。
 天面・壁面にズラリと貼られたタイルのようなものは「電波吸収体」。実はかなりの厚みがあるのですが、にもかかわらず広大なスペースというのは驚きです。この施設だけで、けっこうの投資がなされていると見ましたが…。

電波暗室 写真02

このトビラを閉めれば、外部からの電波の進入はゼロに。当然、携帯電話も圏外となります。それにしても「電波吸収体」の厚み、すごいでしょ?


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