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ペンタックスK20Dブログ 進化の玉手箱
「高ISO感度」+「手持ち撮影」で、K20Dの良さを生かす
【 田中希美男 TANAKA Kimio 】
多摩芸術学園写真学科卒業後フリーランスとして活動。撮影分野は人からドキュメントまで分野を問わない。クルマ雑誌やカメラ雑誌などに作品、テストレポートなどを幅広く発表している。「PENTAX K20DオーナーズBOOK」では、口絵の作品の他、K20Dの機能解説、レンズレポートなどを担当。

※作品画像をクリックすると拡大画像とキャプションがご覧になれます。
ISO感度を変えることでどんなメリットがあるの?
 撮影する場面の明るさが同じだとすれば、ISO感度を上げることで、

[1]高速のシャッタースピードを選んで撮影しても、[2]絞り込んで撮影しても、同じ明るさ(同じ露出)の写真に仕上げることができます。[3]絞りとシャッタースピードを固定したままでもISO感度を変えれば露出(写真の明るさ)を変えることができます。
 この3つのメリットがあります。

 なかでも、高速のシャッタースピードを選んで撮影できれば、手ブレも被写体ブレも少なくできるメリットは大きいです。だから、よりシャープな写真が得られるじゃないですか。あるいは、1段でも2段でも絞り込めれば被写界深度がかせげて不用意なピンぼけを防ぐこともできるし、絞り込むことでレンズ描写性能も向上することもできますよね。
 撮影状況に応じてISO感度を変える、つまり感度をちょいと上げるだけで、ブレの目立たないピントのシャープな写真が得られるというわけです。
じゃあ逆に、ISO感度を上げることでのデメリットってあるんですか?
 たしかに、デメリットはあります。
 ISO感度を上げるにしたがってノイズが目立ってきます。ノイズの影響などで画質が悪くなります。だだし、ノイズが目立って画質が悪くなるというのは相当に高ISO感度にしたときの場合です。たとえば、ISO200やISO400程度では、とくにK20Dの場合では、ノイズはそれほど気になるようなものではありません。

 重箱の隅を突くようにして画像を拡大して部分をみれば、それほど目立たない小さなノイズであっても誇張されて目立ってきます。でも、通常の、常識的な写真の鑑賞スタイルで見ればほとんど気になるようなものではないと思います。
 人によっては、あるいは写真の使用目的や表現意図によっては、K20DのISO1600ぐらいの画質(ノイズレベル)ぐらいなら、なんら気にするようなものではないと言い切る人もいます。超高ISO感度で撮影して、それを大きく拡大して見たり、プリントして近くで鑑賞しない限りそれほど気にすることもないのではないかと思います。
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むろん、低ISO感度の画像に比べると、高ISO感度の画像はノイズのせいでざらついて見えたり、コントラストも強めになります。しかし、高速シャッタースピードと、K20Dの手ブレ補正機構のおかげで、三脚など使わなくてもブレの少ないシャープな写真が得られます。このメリットはタイヘンに大きいと思います。この写真は、もちろん手持ち撮影です。壁にも柱にも寄りかからずに、普通に立ってシャッターを切りました。
■DA 12〜24mmF4 ED AL [IF] SDM 絞り優先AE(絞りF5.6・1/15秒) WBオート ISO800 プラス1.0露出補正 画像仕上:ナチュラル ファインシャープネス−2 ダイナミックレンジ拡大

でも高感度の画像はノイズが気になります。だから低感度で撮影してるんですけど、いけませんか?
 ここでひとつ、アドバイスしておきたいことがあります。写真画質をうんぬんするときに、ノイズにばかり神経質になりすぎないようにしたいということです。
 ノイズをちょっとガマンすることで、その替わりに、1段でも2段でも高速のシャッタースピードで撮影できるわけですよね。そうすれば、その結果、少しでもブレの少ないシャープな画像が得られるのです。

 ノイズの少ない高画質を狙って低ISO感度で撮影することは、なにも間違ってはいません。しかし、場合によっては相当な「リスク」を覚悟しなければいけないということです。リスクとは、カメラブレ、被写体ブレ、ピンぼけなどです。
 ノイズはほとんど目立たないけれどブレてピンぼけの写真のほうがいいのか、それとも、少しノイズは目立つけれどシャープで切れ味の良い写真のほうを選ぶのか。そのへんのことを改めてよく考えてほしいですね。

では、ブラさないで撮影する方法として「低感度+三脚撮影」と「高感度+手持ち撮影」があります。どっちがいいんですか?
 どっちのほうがいいか、と断定的に答えることは難しいですね。また、そんなふうに考えるべきではないと思います。ケースバイケースです。撮影シーンに応じて最適な撮影方法を自由自在に、臨機応変に選ぶようにしてほしいということ。

 低ISO感度の画像は、高ISO感度の画質に比べるとノイズは少なく階調描写性能も良く高画質です。ただし、ブラさないで写す、正確にピントを合わせて撮る、という条件付きです。くどいようですが、ブレたり、ピンぼけだったりすれば、高画質もナニもあったもんじゃないですよね。

 で、ブラさないために三脚を使用する。その目的のためには「低感度+三脚」は正解です。ただし、三脚を使ってブレが防止できるのは、カメラブレ、手ブレだけです。動いている人物やクルマ、電車、風に揺らぐ花などは、どれほど頑丈な三脚を使っても、低速シャッタースピードで撮影する限りはブレて写ってしまいます。被写体ブレだけは三脚ではどうしようもありません。
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着陸態勢で滑走路に侵入して行く旅客機を空港端の一般道から、高ISO感度で撮影したものです。無闇にISO感度をアップしない、ブラさないぎりぎりのシャッタースピードを選ぶ、ということを前提条件にして「ISO1600・1/125秒」を選びました。もちろん1/125秒ではハイスピードの飛行機を止めて写すことはできません。そこで「流し撮り(追い写し)」をして撮影をしたのです。
■DA 55〜300mmF4-5.8 ED シャッタースピード優先AE(1/125秒・絞りF5.6) WB白熱灯 ISO1600 プラス0.3露出補正 画像仕上:雅(MIYABI) ファインシャープネス−2

カメラブレや手ブレ、そして同時に被写体ブレも防ぐ撮影方法ってあるんですか?
 少しでも高速のシャッタースピードで撮影することです。高速シャッタースピードで撮影するには、大口径レンズを使用するという方法が1つ。もう1つの方法は、そうですISO感度を上げて撮る方法です。だから、被写体ブレを防ぐという目的のためなら「低感度+三脚」よりも「高感度+手持ち撮影」のほうが選択肢としては良い、ということになります。

 ところで、冒頭で少し触れましたが、ISO感度を利用することで露出が変えられます。フィルムカメラの時代では撮影中に、そうそう頻繁にISO感度を変えることはできなかった。でも、デジタルカメラになって、ワンカットごとに感度を変えて撮影することもできるようになりました。

 露出を決定するパラメータがシャッタースピードと絞り値の組み合わせだけだったのに、デジタル時代になって新たにISO感度も加わった。シャッタースピードと絞りとISO感度の3つを選んで露出値を決める時代なんですよ、いまは。
そうか…そのISO感度活用の考え方をもとにして、ペンタックスが初めて採用したのがSvモードやTAvモードだというわけですね?
 その通りです。SvもTAvのモードも、まったく新しい「自動露出モードの概念」といってもよいでしょう。K10Dではじめて搭載され、それがK20Dに受け継がれています。

 SvモードはISO感度優先AEのことです。絞り優先AEは絞り値を自分で決める。シャッタースピード優先AEはシャッタースピードを決めますよね。同じように、ISO感度を自分で選んで決めると、適正露出値になるようにシャッタースピードと絞り値を自動的に組み合わせてくれるというものです。ISO感度を優先させたプログラムAE、と考えてもいいでしょう。

 TAvモードはシャッター&絞り優先AEのことです。シャッタースピードと絞り値を決めて固定しておく。あとはカメラがISO感度を自動変更して適正露出にしてくれます。
 マニュアル露出に自動露出の機能を組み入れたようなものでしょうか。使い方が少し限定されますが、たとえば、動く被写体を同じシャッタースピードと絞り値で撮影したいというようなときにTAvモードを利用すれば、カメラアングルが変わったり少しぐらい明るさが変化してもISO感度が自動的に上下して適正露出で撮影できます。

 つまり、SvモードもTAvモードも、新しい自動露出モードとしてカメラに組み入れられるようになったのは、ISO感度を上げてもノイズがそれほど目立たなくなり、十分に実用になる画質が得られるようになったからです。
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Svモードの良いところは、撮影中に瞬時にISO感度が変更できることです。プログラムAEモードをベースにして、それにISO感度のダイレクト設定を加えたものです。コマンドダイヤルをクリックするだけで素早くISO感度が変更できる。スナップ撮影などに便利です。夕暮れから夜にかけて街角をスナップするのに、このSvモードを選びました。撮影状況に応じてISO1600やISO800、ISO400を切り替えてスナップしました。
■DA 18〜55mmF3.5-5.6 AL II Svモード(ISO1600・1/15秒・絞りF4) WBオート ISO1600 マイナス0.7露出補正 画像仕上:雅(MIYABI) ファインシャープネス−2

そういう意味から言えば、「高感度+手持ち」の撮影方法のほうが良いということにはなりませんか?
 とくにK20Dを使って撮影するときには、ぼくとしては、「低感度+三脚撮影」よりも「高感度+手持ち撮影」のほうをおすすめしたいです。
 その理由は3つほどあります。
 まず、手持ち撮影のほうが、三脚使用よりもずっとフットワーク良く撮影ができます。
 そして、K20Dにはボディ内の手ブレ補正機構が搭載されています。
 さらに、K20Dは高ISO感度での画質が良い、つまりノイズが目立ちにくいので積極的に高ISO感度で撮影ができるという、この3つです。

 むろん言うまでもないことですが、三脚撮影をまったく否定しているわけではありません。三脚を使用して撮影しなければいけないシーンはたくさんあります。そんなときは積極的に三脚を使うべきです。しかし、三脚がそれほど必要のない場面にもかかわらず、三脚に頼り切って撮影することはない、と思うわけですよ、ぼくは。せっかく手ブレ補正機構内蔵、高ISO感度の画質がよいK20Dを使うのですからね。
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とある教会の中です。色とりどりのステンドグラスを通った光が聖者の彫刻に当たって美しく輝いていました。明るく見えますがとても暗い状況です。本来ならば三脚を使ってしっかりと撮影したいところですが、しかし教会の中で三脚を使って撮影することははばかられます。こうした場面では手持ち撮影せざるを得ない。高ISO感度と手ブレ補正機構を活用することで、素早くカメラアングルを選んでブラさず撮影することができます。
■DA 55〜300mmF4-5.8 ED 絞り優先AE(絞りF5.6・1/125秒) WBオート ISO800 マイナス1.0露出補正 画像仕上:雅(MIYABI) ファインシャープネス−1




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