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ペンタックスK20Dブログ 進化の玉手箱
ISO感度の賢い設定と、長秒時ノイズリダクションについて
【 田中希美男 TANAKA Kimio 】
多摩芸術学園写真学科卒業後フリーランスとして活動。撮影分野は人からドキュメントまで分野を問わない。クルマ雑誌やカメラ雑誌などに作品、テストレポートなどを幅広く発表している。「PENTAX K20DオーナーズBOOK」では、口絵の作品の他、K20Dの機能解説、レンズレポートなどを担当。

※作品画像をクリックすると拡大画像とキャプションがご覧になれます。
前回のISO感度での補足質問です。K20DにはISO感度のオートとマニュアル設定がありますが、いったいどっちがいいの?
 ISOマニュアルは、ISO感度をプリセットで決めて、それで撮影する方法です。ISO100にしたりISO400にしたり、ISO3200の超高感度にして固定して撮影するという、ごく一般的な方法です。
 もう1つは、オートISOです。撮影条件によってISO感度が自動的に変化します。自動的に変化するISO感度の幅は、あらかじめ上限と下限を決めておくことができます。

 たとえば絞り優先AEモードで撮影をするとき、下限をISO100に上限をISO800に設定しておくとしましょうか。すると、K20Dが撮影シーンの明るさやレンズ焦点距離などの条件を考慮に入れて、手ブレしないシャッタースピードになるように自動的に判断し、ISO100からISO800までの間で最適なISO感度を選んでくれるのです。
 ISO100固定で絞り優先AEで撮影していると、低速シャッタースピードになっているのに気づかずに手ブレや被写体ブレをしてしまうという失敗が起こりえます。ところが、ISOオートならそうした失敗を少しでも防いでくれます。
 というわけで、ぼくはオートISO感度のモードを活用するのがいいと思います。
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オートISOは便利です。特殊な撮影目的 ―― 特定のISO感度で撮影したいとき ―― のとき以外は常時、オートISOモードで撮影をしています。ぼくの場合は、下限ISO感度はISO100またはISO200に固定していますが、上限は撮影状況や使用レンズなどが異なると、それに応じてISO400からISO1600までの範囲で変えることが多い。
■DA 12〜24mmF4 ED AL[IF] 絞り優先AE(絞りF5.6・1/100秒) WBオート ISOオート(ISO800・下限はダイナミックレンジ拡大ONのためISO200、上限はISO800) マイナス1.3露出補正 画像仕上:ナチュラル

ISOオートの場合、ISO感度の下限はともかく、上限のISO感度はどれくらいに設定したらいいのでしょうか?
 そこで、1つ提案なのですが、もし時間的な余裕などがあれば、ぜひ、自分の「ISO感度許容範囲」を調べておくといいと思います。室内や夜景、夕暮れ時など2〜3のシーンでISO100から最高感度のISO6400までISO感度を変えて実写してみる。試し撮りです。

 そうして得られた撮影画像をパソコンのディスプレイでじっくり見比べてみるか、あるいは、実際にプリントして画質の差、ノイズの目立ち具合などを見てみるんですよ。そして、自分ならどれくらいのISO感度までなら画質的に不満を感じないか、そこを見きわめてほしい。画質に対する自分自身の“許せる範囲”を知っておくのです。

 仮に、夜景を撮影するときはISO800までなら許容できる、しかし室内で人物撮影をするときにはISO400の画質までしか許容できない。そうしたことがちょっと分かるだけで、ISO感度の利用効果や活用範囲は飛躍的に広がります。
 自分のノイズ許容範囲内に収まるようにオートISO感度の上限を決めてしまえば、あとは気楽に撮影が続けられるじゃないですか。
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オートISO感度モードでの「上限」の設定は、自分ならどのISO感度の画質までなら許容できるかということを、まずはっきりさせてから決めるのがいいと思う。ぼくはK20DのノイズレベルならISO800まで不満なく使えると判断している。ちょっと我慢すれば、あるいはどうしても手ブレを少なくして撮影したいシーンならISO1600にセットしておく。たとえ、上限をISO1600にセットしておいても、十分な明るさのシーンであれば下限のISO感度で撮影ができるのですから。
■DA 55〜300mmF4-5.8 ED 絞り優先AE(絞りF11・1/200秒) WBオート ISOオート(ISO400・下限はダイナミックレンジ拡大ONのためISO200、上限はISO800) 画像仕上:雅(MIYABI)

K20Dにはノイズリダクション(NR)として「高感度NR」と「長秒時NR」があります、どこがどう違うんですか?
 ノイズ発生の原因として大別すると2つあります。ISO感度を上げていくにしたがってノイズがだんだんと目立ってくるのが高感度ノイズ、もう1つは、ISO感度にかかわらず露光時間が長くなるほどノイズが目立ってくるのが長秒時ノイズです。

 高感度ノイズは、撮像素子で受けた“限られた光”を増幅して高感度にする、そのときに発生するノイズです。長秒時ノイズは、露光時間が長くなり、そのときに発生する熱が原因です。数10秒の露光時間になると撮像素子は「アッチッチ」というぐらい高温になりますからね。それが原因でおきるノイズです。それぞれのノイズを低減するのがノイズリダクション(NR)なわけです。

高感度NRについてはあとで質問しますが、とりあえず長秒時NRについてもう少し教えてくれませんか?
 K20Dの長秒時NRには「オート」と「オン」のモード選択ができます。「オフ」は選べません。「オン」にするとシャッタースピードが0.3秒以上の低速シャッタースピードになると自動的にNR処理が働きます。
 たとえば2秒の露光時間で撮影をしたとすると、その露光時間と同じだけの2秒間かけてNR処理がおこなわれます。1分の露光時間なら1分間の処理時間がかかります。このNR処理をしている間は、カメラは他の操作を一切受け付けません。NR処理が終わるまで次の撮影ができませんから、処理が終わるまでじっとがまんして待つしかないわけです。

 「オート」はノイズの目立ち具合をカメラが判断してNR処理のON/OFFをカメラが決めてくれます。条件によっては0.3秒以上の低速シャッタースピードで撮影しても、NR処理がオフのままということもあります。実際に、数秒ぐらいのスローシャッターで撮影してもNR処理がオフということもありました。
 ですから超スローシャッターで撮影するときは、長秒時ノイズリダクションは「オート」を選んでおく方がいいでしょうね。ちなみに、高感度ノイズリダクションでは、長秒時NRのように処理に時間がかかることはありません。
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実際に長時間露光の撮影で「オート」と「オン」の撮り比べをしてみました。「オート」で長秒時NRが効いていない画像と、「オン」で強制的に長秒時NRを効かせた画像を見比べてみましたが、ほとんど違いは見られませんでした。なので、ぼくは常時「オート」にして撮影をしています。なにも不具合を感じていません。
■DA 18〜55mmF3.5-5.6 AL II マニュアル露出(絞りF22・30秒) WBオート ISO100 画像仕上:雅(MIYABI)

長秒時NRがオートのときの「条件によっては処理がオフ」とは、どんな条件のときなのですか?
 「オート」でNR処理がON/OFFになる条件は、撮影時のシャッタースピードとISO感度、そして温度です。
 K20Dのカメラ内部には温度計が組み込まれているんですよ。それでカメラ内部の温度をチェックしています。高温になればノイズが発生しやすくなりますから、それほど低速のシャッタースピードでなくてもNR処理はオンいうこともありますし、逆に寒い冬場の夜景撮影などでは8秒ぐらいまでならNR処理がオフのままということもあります。
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長秒時NRと高感度NRは別々の処理をしています。言うまでもないですが、長秒時NRでは高感度NRが低減されません。ですから、長時間露光で撮影をするときは、高感度ノイズができるだけ目立たないように低ISO感度を選んで撮影するのが基本です。
■DA FISH-EYE 10〜17mmF3.5-4.5 ED [IF] 絞り優先AE(絞りF8・13秒) WBオート ISO100 プラス0.3露出補正 画像仕上:雅(MIYABI)




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